企画展「マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち」が、千葉・佐倉のDIC川村記念美術館にて、2022年10月8日(土)から2023年1月15日(日)まで開催される。
20世紀にアメリカとフランス・パリで活躍した芸術家マン・レイは、絵画や写真、オブジェ、映画など、多岐にわたる作品を手がけた。企画展「マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち」は、そのなかでもマン・レイが自ら「我が愛しのオブジェ」と総称したオブジェ作品に着目した、国内初の展覧会だ。
マン・レイが生涯にわたって制作したオブジェは、ものや言葉の詩的な組み合わせにより成り立っている。また、同一の主題のオブジェを、それぞれに個性を与えつつ繰り返し制作した点も特徴であり、ここに「芸術作品のオリジナリティ」に対するひとつの提案を見てとることもできる。本展では、マン・レイのオブジェの代表作を紹介するとともに、同じモチーフの作品を複数展示・対比する。
本展は、全3章から構成される。第1章では、アメリカにおけるマン・レイ最初期の作品を紹介。1890年フィラデルフィアに生まれたマン・レイは、初期にはキュビスムに傾倒した絵画を制作、そして最初の結婚やマルセル・デュシャンとの出会いを契機に世界を広げてゆくなかで、前衛的なオブジェの制作も開始した。さらに、1915年の初個展の際には、自身の作品を記録するため、写真を撮り始めるようになる。会場では、初期の絵画やオブジェ、写真などを展示する。
1921年にパリへ渡ったマン・レイは、ダダイストやシュルレアリストのグループと出会い、パリの街と時代を謳歌する。第2章では、1920〜30年代のパリ時代に着目。パリでの初個展の際に制作されたオブジェ《贈り物》、カメラやレンズを使わずに被写体の像を定着させた写真「レイヨグラフ」、「動く写真」である映画、そして《破壊するべきオブジェ》を起点に名前を変えて再制作を続けてゆくことになる、メトロノームに瞳の写真を付したオブジェなどを目にすることができる。
1940年、第二次世界大戦の戦火を避けてアメリカに戻ったマン・レイは、自ら撮影してきた写真をもとに過去の作品の再制作にも励んだ。1951年には再びパリに移り、遊び心とウィットに溢れたオブジェを数多く手がけている。第3章では、1976年にマン・レイが没するまでのオブジェ作品の展開を紹介。再制作に対する独自の捉え方をうかがうことができる、マン・レイならではのオブジェの再制作にも光をあてる。
企画展「マン・レイのオブジェ 日々是好物|いとしきものたち」
会期:2022年10月8日(土)〜2023年1月15日(日) 会期中に展示替えあり
[前期 10月8日(土)〜11月20日(日) / 後期 11月22日(火)〜1月15日(日)]
会場:DIC川村記念美術館
住所:千葉県佐倉市坂戸631
開館時間:9:30〜17:00(最終入館時間 16:30)
休館日:月曜日(10月10日(月・祝)、1月2日(月・振替休日)・9日(月・祝)は開館)、10月11日(火)、12月25日(日)〜1月1日(日・祝)、1月5日(木)・10日(火)
入館料:一般 1,500円、学生・65 歳以上 1,300円、小中学生・高校生 600円
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)