特別展「将軍家の襖絵 ─屏風絵でよみがえる室町の華─」が、東京の根津美術館にて、2022年11月3日(木・祝)から12月4日(日)まで開催される。

失われた将軍家の襖絵の世界を蘇らせる

室町時代は、能や狂言、茶の湯、生け花など、現代にも息づく芸能の多くが生まれた時代であった。そして、室町文化の中心に位置していたのが、京都の室町幕府、足利将軍邸だ。その建築のなかでも特に重要であったのが、人びとが会して芸能や遊興を繰り広げた「会所(かいしょ)」である。そこには、将軍家所蔵の唐物が並べられるとともに、襖は御用絵師・周文(しゅうぶん)をはじめ当代を代表する画家の絵によって飾られた。

現在、これらの襖絵はすべて失われてしまっているものの、残された文献から、どのような画題の絵が描かれていたかを窺い知ることができる。また、襖絵と画面の規模や形式が近い屏風絵からも、当時の襖絵を復元的に思いえがくことが可能だ。

特別展「将軍家の襖絵 ─屏風絵でよみがえる室町の華─」は、足利将軍家の襖絵の世界を今に蘇らせる試み。会所襖絵における典型的な画題を取り上げ、室町後期から江戸期に制作された屏風を一堂に集めて展示する。

とりわけ、水墨画の名手として伝えられる周文は6代将軍・足利義教の御用絵師として活躍したものの、確実な署名印のある作品がなく、基準となる画風も不明であるため、周文筆とされる作品は多様である。本展では、伝周文の作品のなかから、《四季山水図屏風》など、真筆の可能性が高い作品を展示する。

展覧会概要

特別展「将軍家の襖絵 ─屏風絵でよみがえる室町の華─」
会期：2022年11月3日(木・祝)～12月4日(日) 会期中に展示替えあり
会場：根津美術館 展示室1・2
住所：東京都港区南青山6‐5‐1
開館時間：10:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日：月曜日
入館料：一般 1,500円(1,300円)、学生 1,200円(1,000円)、中学生以下 無料
※オンラインでの日時指定予約制(10月28日(金)より美術館ホームページにて受付開始予定)
※( )内は障害者手帳提示者および同伴者1名の料金
※当日券(1,600円)も販売(予約を優先するため、当日券での入館者は待つ場合あり。また、混雑状況によっては当日券を販売しない場合あり)

■日時指定予約制
・来館希望時間帯の2時間前までに根津美術館ホームページ上にて日時指定券を購入(クレジットカード決済のみ)
・根津倶楽部会員、招待はがきを所持していて入館無料の場合も予約が必要

【問い合わせ先】
根津美術館
TEL：03-3400-2536 (代表)