エンニオ・モリコーネに密着した音楽ドキュメンタリー映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』が、2023年1月13日(金)に公開される。
エンニオ・モリコーネは、“映画音楽の巨匠”として知られる音楽家。ペンと五線譜のみを使って、『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』『続・夕陽のガンマン』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『アンタッチャブル』など、500作品以上もの映画やテレビの音楽を生み出した。アカデミー賞には6度ノミネートされ『ヘイトフル・エイト』で受賞。全功績を称える名誉賞にも輝いた。
『モリコーネ 映画が恋した音楽家』では、そんな映画音楽におけるマエストロの葛藤と栄光を映し出す。なお、2020年7月に、享年91歳にてエンニオ・モリコーネがこの世を去ったため、結果的に『モリコーネ 映画が恋した音楽家』がモリコーネの⽣前の姿を捉える最後の作品となった。
『モリコーネ 映画が恋した音楽家』の作中では、音楽が彩る名作映画の数々とともに、モリコーネ⾃らが自身の半生を回想。かつては映画⾳楽の芸術的地位が低かったため、「最初、映画音楽を作るのは屈辱だった」「私の師は“映画⾳楽”をバカにしてた」と語り、幾度もやめようとしたという衝撃の事実を告白している。
また、モリコーネが手がけ、ヒットを記録したテーマ曲についてもエピソードが登場。モリコーネが世界的に脚光を浴びるきっかけになった『荒野の用心棒』のテーマ曲は、セルジオ・レオーネからイメージとして黒澤明の『⽤⼼棒』を見せてもらったという。
また、スタンリー・キューブリックの『時計じかけのオレンジ』については「逃して悔やむのはこの作品だけ」と残念がる心情をあらわにし、『アンタッチャブル』では3度⽬のアカデミー賞にノミネーションされたにも関わらず『ラストエンペラー』の坂本⿓⼀らに敗れ意気消沈する様⼦を見せるなど、“天才”と称されたモリコーネの人間味あふれる姿が、『モリコーネ 映画が恋した音楽家』の随所に見て取れる。
監督はモリコーネの弟子であり友でもあるジュゼッペ・トルナトーレが『モリコーネ 映画が恋した音楽家』の監督を担当。密着取材を実施した。トルナトーレ監督は大御所監督や、エンニオが出会った著名人、音楽院時代を良く知る旧学友たちま幅広く取材。エンニオの長年の仲間である音響技師で、コンサートのみならず、レコーディングスタジオでの楽曲録音のときも⼀緒だった人まで密着取材。それらのおかげで、「インタビューが立体的になり、映画の語りに役立ちました」とコメントしている。
加えて、『ニュー・シネマ・パラダイス』をはじめ、音で命を吹き込んだ傑作の名場⾯と最⾼の⾳響環境で再現された、ワールドコンサートツアーの演奏の模様も登場。クエンティン・タランティーノや、クリント・イーストウッド、ウォン・カーウァイ、オリバー・ストーンといった、70人以上の映画監督、著名人達のインタビューからも、モリコーネの軌跡を紐解いていく。
【詳細】
映画『モリコーネ 映画が恋した音楽家』
原題:Ennio
公開日:2023年1月13日(金) TOHO シネマズ シャンテ、Bunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:エンニオ・モリコーネ、クエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ウォン・カーウァイ、オリバー・ストーン、ハンス・ジマー、ジョン・ウィリアムズ、ダリオ・アルジェント、テレンス・マリック、ブルース・スプリングスティーン、ベルナルド・ベルトルッチ、ジェイムズ・ヘットフィールド、クインシー・ジョーンズ
本編登場作品:『荒野の⽤⼼棒』(64)、『⾰命前夜』(64)、『⼣陽のガンマン』(65)、『続・⼣陽のガンマン 地獄の決⽃』(66)、『ウエスタン』(68)、『死刑台のメロディ』(71)、『1900年』(76)、『天国の⽇々』(78)、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(84)、『ミッション』(86)、『アンタッチャブル』(87)、『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)、『Uターン』(97)、『海の上のピアニスト』(98)、『ヘイトフル・エイト』(15) など
※全51登場作品のうち一部