企画展示「アートのための場所づくり 1970年代から90年代の群馬におけるアートスペース」が、群馬県立近代美術館にて、2023年1月21日(土)から4月9日(日)まで開催される。

新たな創造を生み出す場・アートスペースの展開

群馬県内には、これまでにさまざまなアートスペースが作られてきた。企画展示「アートのための場所づくり 1970年代から90年代の群馬におけるアートスペース」では、20世紀後半を通して作家や文化人が交流する場となった「煥乎堂ギャラリィ」を中心に、1970〜90年代に群馬県内で活動したアートスペースの歴史を紹介する。

「煥乎堂ギャラリィ」は、明治初期に創業した書店「煥乎堂(かんこどう)」が、1960年代後半に白井晟一の設計による新店舗に設けたギャラリー専用スペースだ。煥乎堂は古くから美術展を開催しており、「煥乎堂ギャラリィ」が開設されるとよりいっそう多彩な展示が行われるようになった。

「煥乎堂ギャラリィ」では、年間を通じて群馬県ゆかりの作家を軸に国内外の美術を紹介していた。なかでも、創業家の高橋元吉とゆかりの深い彫刻家・高田博厚を中心とする一元会展や、県関係作家を取り上げた煥乎堂美術展は、このアートスペースを特徴付ける活動であった。また、美術ばかりでなく、音楽コンサートや文学者による文芸講座なども催され、文化サロンとしての役割を果たした。

「煥乎堂ギャラリィ」のほかにも、群馬県内にはさまざまなアートスペースが展開されてきた。その例に、1970年代の「ぐんまアートセンター」や、80年代から現在に至るまで活動を続ける「コンセプトスペース」などを挙げることができる。これらはいずれも、地域の作家に発表の場を提供するとともに、国内外の同時代美術を紹介する役割も担ってきた。さらに90年代になると、「北関東造形美術館」が白川昌生らによる「場所・群馬」の活動拠点となるとともに、海外の現代美術作家を積極的に紹介するなど、専門学校の附属施設としての役割を超えた活動を展開した。

本展では、「煥乎堂ギャラリィ」や「ぐんまアートセンター」、「コンセプトスペース」など、群馬県内の主なアートスペースを取り上げ、それぞれのスペースの特徴や、県内のアートシーンで果たした役割に光をあてる。

展覧会概要

企画展示「アートのための場所づくり 1970年代から90年代の群馬におけるアートスペース」
会期：2023年1月21日(土)〜4月9日(日)
会場：群馬県立近代美術館 展示室1、ギャラリー
住所：群馬県高崎市綿貫町992-1 群馬の森公園内
開館時間：9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日：月曜日
観覧料：一般 700円(560円)、高校・大学生 350円(280円)
※( )内は20名以上の団体割引料金
※中学生以下、障害者手帳などの所持者および介護者1名は無料

【問い合わせ先】
群馬県立近代美術館
TEL：027-346-5560