1555年、法衣装束商として、京都烏丸三条で「千總(ちそう)」が創業。
千總(ちそう)は、京友禅の老舗ブランド。京友禅をはじめとした染織品やファッション、ギフトなど、様々なプロダクトを生み出している。
1555年、法衣装束商として、京都烏丸三条で「千總(ちそう)」が創業。宮大工だった先祖が、儀式に用いられる威儀物「千切台」を春日大社に納めていた故事にちなみ、「千切台」を商標とし、「橘」を家紋となし、屋号を「千切屋」と名付けた。
江戸時代、装束の色や文様を熟知し、家柄や着用機会にふさわしい法衣や打敷を調進する「御装束師」として、東本願寺をはじめ門跡家や宮家に仕えた。この頃、京都の三条室町衣棚周辺は、千切屋一門の暖簾を掲げる分家が百余軒にもおよんだ。
1871年、友禅染の工房として西村職工場を設立。明治時代にはいると、商いの主軸を友禅染めに移す。友禅染の下絵を日本画家に依頼し、従来のデザインを一新させる。
技術開発にも積極的に取り組み、天鵞絨友禅、写し友禅、刺繍などの技術を集めた大作を次々に発表し、フィラデルフィア万国博覧会、パリ万国博覧会など、国内外の博覧会で数々の賞を獲得。
大正時代、国内では東京・横浜・神戸に、海外では中国・朝鮮・タイ・シンガポールに出張所を設立。ヨーロッパ、東南アジア、中近東まで貿易の拡大を図る。
昭和時代、戦時下において、京都の染織業は苦境を強いられるが、西村總染織研究所を設立し、様々な技術の保存・継承に努める。戦後はいち早く復興し、京都・東京の2箇所から全国の百貨店へ商いの地盤を広げ、高級呉服を扱うブランドとして成長する。
平成に入ると、きもの業界の縮小を受け、新たな分野への進出を図り、国内外のアーティストやファッションブランドと積極的にコラボレーション。ヨウジヤマモトのデザイナー山本耀司が手掛けるワイズとは、度々コラボレーションを行っている。
2017年、千總文化研究所設立。文化財の保存・活用を目指し、調査研究を行う。
2020年、京都・烏丸三条に初のフラッグシップストア「千總 本店」をオープン。