パリの小さなアパートで8歳の娘リンと二人暮らしをする主人公・サンドラ。彼女の父ゲオルグは、かつて哲学の教師として生徒たちからも尊敬されていたが、今は病を患い、徐々に視力と記憶を失いつつある。別居する母フランソワーズと共に彼のもとを頻繁に訪ねては、変わりゆく父の姿に直面し、自身の無力感を覚えるサンドラ。仕事、子育て、そして介護に追われ、長年自分のことは後回しのサンドラであったが、ある日、旧友のクレマンと偶然再会し、自然と恋に落ちる。病を患う最愛の父に対するやるせない思いと、新しい恋の始まりに対するときめきという相反する感情をサンドラは同時に抱くが―。
映画『それでも私は生きていく』は、カンヌ国際映画祭 監督週間で話題を呼び、第75回カンヌ国際映画祭でヨーロッパ・シネマ・レーベル賞を受賞したフランス映画。監督を務めるのは、『未来よ こんにちは』で第66回ベルリン国際映画祭 銀熊(監督)賞を獲得し、フランス映画界を代表する存在となったミア・ハンセン=ラブ。主演は『007』シリーズで2作続けてボンドガールを務めたフランスを代表する俳優レア・セドゥ。