企画展「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」が、東京ステーションギャラリーにて、2023年7月1日(土)から8月27日(日)まで開催される。京都国立近代美術館でも開催された巡回展だ。
大正期から昭和初期にかけて日本画家として活躍し、妖艶な絵画作品を手がけたことで知られる甲斐荘楠音(かいのしょう ただおと)。戦前の画壇で高く評価されるも、1940年頃、甲斐荘は画業を中断して映画業界に転身、衣裳・風俗考証家として溝口健二などの映画作品に携わり、日本の時代劇映画の黄金期を支えたのだった。
企画展「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」は、26年ぶりとなる甲斐荘の回顧展。絵画作品ばかりでなく、スクラップブックや写生帖、写真、映像、映画衣裳、ポスターなど、甲斐荘にまつわる作品や資料を一堂に集めて等しく展示し、画家として、映画人として、そして演劇に通じた趣味人として、多面的な個性を持った表現者としての甲斐荘に光をあててゆく。
日本画家としての甲斐荘は、革新的な日本画表現を展開した「国画創作協会」、そしてその解散後には絵画団体「新樹社」を舞台に活動を行った。本展では、甲斐荘が手がけた絵画作品を一挙紹介。なかでも、新樹社の第1回に出品された昭和初期の意欲作《春》はニューヨークから凱旋して展示される。
芝居を愛好し、自らも演じることに興じた甲斐荘は、1940年代より衣裳・風俗考証家として映画製作に携わるようになる。その手腕は、映画監督の溝口健二が「甲斐荘君が手伝ってくれると品がよくなる」と語るほどであり、伊藤大輔や松田定次といった時代劇映画の名監督から厚い信頼を得ていた。本展では、名優・市川右太衛門とともに作り上げた「旗本退屈男」シリーズの豪華衣裳を中心に、甲斐荘が考証・提案した映画衣裳の数々を紹介する。
企画展「甲斐荘楠音の全貌 絵画、演劇、映画を越境する個性」
会期:2023年7月1日(土)〜8月27日(日) 会期中に展示替えあり
[前期 7月1日(土)〜30日(日) / 後期 8/月1日(火)~27日(日)]
会場:東京ステーションギャラリー
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1 JR東京駅 丸の内北口 改札前
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(7月17日(月・祝),8月14日(月)・21日(月)は開館)、7月18日(火)
観覧料:一般 1,400円(1,200円)、高校・大学生 1,200円(1,000円)、中学生以下 無料
※( )内は前売料金(前売券は、6月1日(木)から30日(金)まで、オンラインにて販売)
※障がい者手帳などの持参者は100円引き、介添者1名は無料
※開催内容は変更となる場合あり
【問い合わせ先】
東京ステーションギャラリー
TEL:03-3212-2485