特別展「よそおいの美学」が、名古屋の徳川美術館にて、2023年6月3日(土)から7月17日(月・祝)まで開催される。
江戸時代の武家社会では、身分や年齢、季節、場面などに応じて細かな決まりごとが設けられていた。とりわけ装いは、地位や職務を示す役割を担っており、人びとは格式にふさわしく、厳かに、あるいは美麗に装うことが求められた。
武家社会の男性は、儀礼のようにフォーマルな場面においては公家の伝統的な装束を身に着けた。尾張徳川家のように地位の高い大名の場合、もっとも重要な儀式では朝廷の礼服である束帯と衣冠を着用する必要があった。一方、日常着である羽織、戦や火事の際に着用する陣羽織や火事装束には、目を引く意匠を用いるなど、武士の好みを反映する品々が残されている。
女性の装いも、男性の場合と同様、細かなきまりが定められていた。たとえば1年のうちもっとも重要な儀礼である正月三が日の行事において、将軍家や有力大名家では、朝廷の礼装である袿や袴を着用した。また、儀式後には、縮緬地に染めや刺繡を施した準礼装の模様物を、日常的には縞や絣などを用いるなど、場面に合わせて1日に何度も装いを変えている。
特別展「よそおいの美学」では、武家社会に生きた男性と女性の装いに着目。小袖や羽織といった着物をはじめ、尾張徳川家で誂えられた衣服や装身具などをトータルコーディネートの演出で紹介する。
特別展「よそおいの美学」
会期:2023年6月3日(土)~7月17日(月・祝)
会場:徳川美術館 本館展示室
住所:愛知県名古屋市東区徳川町1017
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(7月17日(月・祝)は開館)
観覧料:一般 1,600円(1,400円)、高校・大学生 800円(700円)、小・中学生 500円(400円)
※企画展「極める!江戸の鑑定」と共通料金
※( )内は20名以上の団体料金
※土曜日は高校生以下無料
【問い合わせ先】
徳川美術館
TEL:052-935-6262