企画展「イギリス風景画と国木田独歩」が、神奈川の茅ヶ崎市美術館にて、2023年6月18日(日)から8月27日(日)まで開催される。
明治時代を代表する小説家のひとり、国木田独歩(くにきだ どっぽ)は、その代表作『武蔵野』において、武蔵野の風景をみずみずしい文体で描きだしている。このように、素朴な自然にロマンを見出す傾向は、当時、文学者にとどまらず画家のあいだにも見られたものだ。
独歩の『武蔵野』に大きな影響を与えたのが、イギリスのロマン派詩人ウィリアム・ワーズワースである。18〜19世紀のイギリスでは、産業革命や市民革命を経て近代市民社会が成立する一方、風景に対する関心が高まっていた。こうした背景のもと、ワーズワースは湖水地方を題材に詩を作り、画家のジョン・コンスタブルは故郷サフォーク州の豊かな風景を、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーは光と色彩に溢れる劇的な自然を描いている。
企画展「イギリス風景画と国木田独歩」は、茅ヶ崎市美術館では初となる本格的なイギリス絵画の展覧会。コンスタブルやターナー、ジョン・マーティン、サミュエル・パーマーなどの優品を通して、伝統的な風景画を刷新した近代イギリス風景画の流れをたどってゆく。
また、日本におけるイギリス風景画の受容にも着目。江戸時代の浮世絵において、風景画は名所絵として描かれることが多かった。これは、名勝として繰り返し眺められてきた視点から風景を捉え、その地の季節の風物などと結びつけて描いたものだ。本展では、鹿子木孟郎などの作品を展示しつつ、明治時代以降に風景画がどのように描かれるようになったのかに光をあてる。
企画展「イギリス風景画と国木田独歩」
会期:2023年6月18日(日)〜8月27日(日)
会場:茅ヶ崎市美術館 展示室1・2・3
住所:神奈川県茅ヶ崎市東海岸北1-4-45
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(7月17日(月・祝)は開館)、7月18日(火)
観覧料:一般 1,000円(900円)、大学生 800円(700円)、市内在住65歳以上 500円(400円)
※高校生以下、障がい者および介護者は無料
※( )内は20名以上の団体料金
【問い合わせ先】
茅ヶ崎市美術館
TEL:0467-88-1177