展覧会「あの世の探検─地獄の十王勢ぞろい─」が、東京・丸の内の静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)にて、2023年8月11日(金・祝)から9月24日(日)まで開催される。
展覧会「あの世の探検─地獄の十王勢ぞろい─」では、“あの世”に着目しつつ、静嘉堂文庫美術館の所蔵品を紹介。コレクションの核のひとつである仏教美術から、1999年の初公開以来そろって展観される機会のなかった《十王図・二使者図》と《地蔵菩薩十王図》全13幅を展示するほか、日本や中国の仏教絵画などを紹介する。
「十王図」とは、冥界で前世の罪を裁くとされる10人の大王「十王」を描いた図だ。仏教では、人はこの世を去って冥界に行くと、閻魔大王をはじめとする十王によって、罪業を裁かれると考えられている。そのため、亡くなった人の縁者が十王を供養することで、その極楽浄土を祈ってきたのである。
本展は、裁きをする十王を描いた《十王図・二使者図》と、地獄に出向いて亡者を救済する地蔵菩薩を題材とした《地蔵菩薩十王図》、全13幅を一堂に展観する初の機会。元〜明時代の中国で制作され、日本の大名家に伝来した名品を、同一の空間で目にすることができる貴重な機会となる。
また、会場では、中国や日本の仏教絵画を紹介。中国の12の霊獣を描いた巻物《十二霊獣図巻》や、女人成仏なども取り上げた《妙法蓮華経変相図》などを展示するほか、河鍋暁斎筆《地獄極楽めぐり図》も特別出品する。
さらに本展では、円山応挙筆《江口君図》にも着目。同作は、大坂・江口の遊女の亡霊が、西行と歌を詠み交わし、普賢菩薩と化したという謡曲『江口』に取材した作品だ。また、白象に乗る遊女を普賢菩薩に見立てた図でもある。会場では、応挙によるこの作品を、鎌倉仏画の名品《普賢菩薩像》(重要文化財)とともに楽しむことができる。
展覧会「あの世の探検─地獄の十王勢ぞろい─」
会期:2023年8月11日(金・祝)〜9月24日(日)
会場:静嘉堂文庫美術館(静嘉堂@丸の内)
住所:東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館 1F
開館時間:10:00〜17:00(金曜日は18:00まで)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(9月18日(月・祝)は開館)、9月19日(火)
入館料:一般 1,500円、高校・大学生 1,000円、中学生以下 無料
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)