展覧会「美人画 麗しきキモノ」が、東京の太田記念美術館にて、2023年9月1日(金)から10月22日(日)まで開催される。

美人画に見る装いと流行

江戸時代には、社会の安定や産業推進などを背景に、きものの文化が豊かに花開いた。その様子は、たとえば、当時の流行を描いた浮世絵美人画から窺い知ることができる。画中の女性が身にまとう多彩なきものは、当時の美意識を今に伝えるばかりでなく、作品の印象を決める重要な要素でもあったのだ。

展覧会「美人画 麗しきキモノ」では、装いに着目しつつ、江戸時代前期から昭和時代初期にかけての美人画約130点を展示。鈴木春信や鳥居清長、喜多川歌麿、月岡芳年、伊東深水などの作品から、時代とともに変化する装いの流行や着こなし、きものにあしらわれた吉祥文様、古くから親しまれてきた意匠を紹介する。

約250年にわたる美人画の展開

本展では、約250年にわたる浮世絵美人画の展開を紹介。鈴木春信《林屋お筆》や鳥居清長 《当世遊里美人合 叉江凉》、喜多川歌麿 《婦女人相十品 文読む女》、月岡芳年《月百姿 烟中月》、橋口五葉《紅筆持てる女》 など、江戸時代から昭和時代にかけての浮世絵版画ばかりでなく、肉筆画も目にすることができる。

きものの模様に着目

きものには、さまざまな模様があらわされている。会場では、吉祥文様であったり、『源氏物語』や『伊勢物語』といった古典文学をふまえていたり、あるいは人気役者にゆかりのある衣装であったり、それぞれの模様が持つ意味にも光をあてつつ、美人画作品を紹介する。

男性の装いも

女性ばかりでなく男性もまた、装いに趣向を凝らしてきた。本展の浮世絵作品からも、暗い色味のきものに赤い帯を合わせた、「腹切帯」と呼ばれる着こなしや、輸入品である金唐革を用いた煙草入れなどに見る、小物へのこだわりにふれることができそうだ。

展覧会概要

展覧会「美人画 麗しきキモノ」
会期：2023年9月1日(金)〜10月22日(日) 前後期で全点展示替え
［前期 9月1日(金)〜24日(日) / 後期 9月30日(土)〜10月22日(日)］
会場：太田記念美術館
住所：東京都渋谷区神宮前1-10-10
開館時間：10:30〜17:30(入館は17:00まで)
休館日：月曜日(9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館)、9月19日(火)、9月26日(火)〜29日(金)、10月10日(火)
入館料；一般 800円、高校・大学生 600円、中学生以下 無料

【問い合わせ先】
TEL：050-5541-8600(ハローダイヤル)