映画『ファースト・カウ』が、2023年12月22日(金)に公開される。
『ファースト・カウ』は、ケリー・ライカートが監督を務める映画作品。⻄部開拓時代のオレゴン州を物語の舞台に、甘いドーナツでアメリカン・ドリームを夢⾒る男たちの友情物語を描く。
原作は、ジョナサン・レイモンドの⼩説『The Half-Life(原題)』の物語に惚れ込んだ監督ケリー・ライカートが映画化を熱望し、⻑年の構想の末に実現したという。
映画の冒頭では、詩⼈ウィリアム・ブレイクの⾔葉「⿃には巣、クモには網、⼈間には友情」を引⽤し、ドーナツ作りを通して2 ⼈の男の間に少しずつ友情が芽⽣えていく過程を美しく描写。「友情とは何か」という本質を描き出す。さらに、豊かな⾃然が息づくアメリカの原⾵景を切り取った映像美や⼼地よい⾳楽にも注目だ。
主人公・クッキー…ジョン・マガロ
アメリカン・ドリームを求めて未開の地にやってきた料理⼈。森の中で⽑⽪猟師の⼀団と⼀緒に逃げ回っていた中、キング・ルーと出会い意気投合する。
キング・ルー…オリオン・リー
とある事情で追われる⾝となった中国系移民。広大な自然の中でクッキーと出会い、かくまってもらったことから友情を築きあげていくことに。
長官…トビー・ジョーンズ
クッキー、キング・ルーの2人の行方を大きく左右する仲買商。お茶にミルクを入れるために牛を呼び寄せる。クッキーとキング・ルーはそんな仲買商の豪邸に夜な夜な忍び込み、この地にたった一頭しかいない牛の貴重なミルクを盗んでドーナツ作りに使っている。
監督を務めるケリー・ライカートは、1964年、フロリダ州マイアミ生まれ。1994年の『リバー・オブ・グラス』でデビューした後、⻑らく⽇本でケリー・ライカートの作品を観られる機会は限られていたが、2021年にケリー・ライカート監督特集上映が⾏われると、その作品性の⾼さから異例の満席回が続出し、⼤きな話題を呼んだ。なお、『ファースト・カウ』の原作となる⼩説『The Half-Life(原題)』を執筆したジョナサン・レイモンドは、これまでケリー・ライカート作品の脚本を多数⼿がけている。
『ファースト・カウ』は世界の映画祭で披露されると世界中から絶賛を集め、第70回ベルリン国際映画祭⾦熊賞にノミネート。『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノをはじめ、ジム・ジャームッシュ、トッド・ヘインズ、濱⼝⻯介ら、名だたる監督たちからも称賛されているという。尚、『ファースト・カウ』の本国配給はA24が担当した。
⻄部開拓時代のオレゴン州、アメリカン・ドリームを求めて未開の地にやってきた料理⼈のクッキーと、中国⼈移⺠のキング・ルー。共に成功を夢⾒る2⼈は⾃然と意気投合し、やがてある⼤胆な計画を思いつく。それは、この地に初めてやってきた“富の象徴”である⽜からミルクを盗み、ドーナツで⼀攫千⾦を狙うという、⽢い⽢いビジネスだった︕
作品詳細
映画『ファースト・カウ』
原題:First Cow
公開日:2023年12⽉22⽇(⾦)
監督:ケリー・ライカート
脚本:ケリー・ライカート、ジョナサン・レイモンド
出演:ジョン・マガロ、オリオン・リー、トビー・ジョーンズ