奈良県立美術館では、開館50周年記念 特別展「漂泊の画家 不染鉄 ～理想郷を求めて」を、2024年1月13日(土)から3月10日(日)まで開催する。

不染鉄、初期から晩年にいたる歩み

不染鉄(ふせん てつ)は、大正時代から昭和時代にかけて活躍した日本画家だ。明治24年(1891年)東京に生まれた不染は、東京や京都で学んで画家としての活動をスタート。戦後は奈良に移り住んで、画壇とは距離を置きつつ独自の画境を切り拓いている。その作風は、郷愁漂う村落風景から、富士の眺望や神聖な古寺の景観、神秘的な海の風景、そして幻想的な夜の情景へと、深まりを見せてゆくこととなった。

特別展「漂泊の画家 不染鉄 ～理想郷を求めて」は、初期から晩年までの代表作約120件を一堂に集め、その歩みを紹介。茅葺き屋根の家や村落風景などを題材とした初期から、東西の画家との交流などを通して自らの作風を模索した転換期、そして奈良を拠点に、浄土を思わせる夜の風景を描いてゆく円熟期にいたる、不染の軌跡をたどる。

会場では、第6回帝展の出品作である《山海図絵(伊豆の追憶)》、奈良の田園や京都の水郷、伊豆の漁村を題材に、自然とともに暮らす人々の暮らしを描いた《思出之記》、戦争への悲しみや憎しみが込められた異色作《廃船》、最晩年の《落葉浄土》などを目にすることができる。

展覧会概要

開館50周年記念 特別展「漂泊の画家 不染鉄 ～理想郷を求めて」
会期：2024年1月13日(土)～3月10日(日)
会場：奈良県立美術館
住所：奈良県奈良市登大路町10-6
開館時間：9:00～17:00(入館は16:30まで)
休館日：月曜日(2月12日(月・振)、3月4日(月)は開館)、2月13日(火)
観覧料：一般 1,200円(1,000円)、高校・大学生 1,000円(800円)、小・中学生 800円(600円)
※( )内は20名以上の団体料金
※次の該当者は観覧無料：(1) 身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の所持者および介助者1名 (2) 外国人観光客(長期滞在者、留学生含む)および付添の観光ボランティアガイド1名

【問い合わせ先】
奈良県立美術館
TEL ：0742-23-3968