企画展「開発好明 ARTIS LIVE—ひとり民主主義へようこそ」が、東京都現代美術館にて、2024年8月3日(土)から11月10日(日)まで開催される。
開発好明(かいはつ よしあき)は、キャリア初期となる1990年代より、日常生活や社会現象といった身の回りの出来事への関心を起点として、コミュニケーションを内包し、誘発する表現活動を展開してきたアーティストだ。企画展「開発好明 ARTIS LIVE—ひとり民主主義へようこそ」は、東京都内の美術館では初の個展となる。
開発の表現は、絵画や写真、パフォーマンス、インスタレーションの制作ばかりでなく、日々のライフワーク、学校や地域でのワークショップなど、多岐にわたっている。こうした多様な形態の活動のなかでも、開発が継続的に行ってきたプロジェクトには特に、個々の小さな声に向き合い、自らのできることを淡々と継続する、という姿勢を見て取ることができる。
たとえば、自分や友達に書いた手紙が1年後に届く《未来郵便局》や、「誰もが先生・誰もが生徒」を合言葉に授業を行う《100人先生》などにおいては、教育やマスメディアといった既存のフォーマットを真似つつ、メッセージの発信者と受信者を等しく捉えている。また、被災地域の人々との関わり合いや現地での体験から、《政治家の家》をはじめ、福島でのプロジェクトも展開してきた。
このように、社会的な構造や制度、共同体、出来事に対する個人的な介入は、開発の活動の特徴のひとつとなり、「ひとり民主主義」と評されることになった。「ひとり」と「民主主義」は、一見矛盾するようではあるものの、一貫した集合ではないからこそ、個々がそれぞれに反応することができ、それが人々を触発することで活動が生まれてゆくことになるのだ。
開発のこうした活動は、美術館での収蔵や展示が前提とされていないものが多いため、30年以上にわたるその全貌を捉える機会は限られてきた。本展では、ドクメンタ9でのゲリラパフォーマンスといった初期の資料から近年の作品まで、約50点の作品やプロジェクトを紹介する。
企画展「開発好明 ARTIS LIVE—ひとり民主主義へようこそ」
会期:2024年8月3日(土)〜11月10日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 3F
住所:東京都江東区三好4-1-1
開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(8月12日(月・振)、9月16日(月・祝)・23日(月・振)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・振)は開館)、8月13日(火)、9月17日(火)・24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)
観覧料:一般 1,500円、大学生・専門学校生・65歳以上 1,100円、中学・高校生 600円、小学生以下 無料
■同時開催
・企画展「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」
・コレクション展「MOTコレクション 竹林之七妍/特集展示 野村和弘/Eye to Eye—見ること」
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)