企画展「遠藤彰子展 巨大画の迷宮にさまよう」が、新潟市美術館にて、2024年6月22日(土)から8月25日(日)まで開催される。
遠藤彰子(えんどう あきこ)は、自身を取り巻く事象をテーマとしつつ、壮大な世界を描きだしてきた画家だ。新潟での初個展となる企画展「遠藤彰子展 巨大画の迷宮にさまよう」では、初期の「楽園シリーズ」から、飛躍のきっかけとなった「街シリーズ」、現在まで続く「大作シリーズ」まで、その創作をたどってゆく。
「楽園シリーズ」は、人間と楽園のイメージを描きだした1970年代のシリーズだ。当時、神奈川・相模原にあった自宅兼アトリエの近くには林が広がっており、そこでは野うさぎや野鳥を目にすることができたという。「楽園シリーズ」は、こうした環境から生まれたものであった。また、作品中に描かれる象やライオン、サーカスなどのモチーフは、この頃に遠藤が訪れたインドでの体験に基づいている。会場では同シリーズより、《楽園の住人たち》といった初期作品を紹介する。
1970年代後半より始まる「街シリーズ」には、相反する要素が組み合わせされた、迷路のような街が描かれている。このような作風の変化の背景には、生まれて間もない自身の子どもが、死に瀕する急病を経験したことに由来している。本展では、遠藤が画家としての地位を確立することになった「街シリーズ」から、《たそがれの街》、《死なしむな夢》、《佳日》などを展示する。
1989年より遠藤は、大画面の「大作シリーズ」に取り組んでゆくことになる。そこでは、これまでに自らの作品で展開してきた「生と死」、「光と闇」、「破壊と創造」といったテーマを、うねりのある構図で大胆に表現している。会場では、「大作シリーズ」の《鐘》や《ことば響くあたり》などを目にすることができる。
企画展「遠藤彰子展 巨大画の迷宮にさまよう」
会期:2024年6月22日(土)〜8月25日(日)
会場:新潟市美術館 企画展示室
住所:新潟県新潟市中央区西大畑町5191-9
開館時間:9:30〜18:00(観覧券販売は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(7月15日(月・祝)、8月12日(月・振)は開館)、7月16日(火)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、高校・大学生 900円(700円)、中学生以下 無料
※( )内は20名以上の団体およびリピーター割引料金
【問い合わせ先】
新潟市美術館
TEL:025-223-1622