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“西洋磁器の最高峰”セーヴル磁器の展覧会「セーヴル フランス宮廷の磁器」渋谷区立松濤美術館で

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展覧会「妃たちのオーダーメイド セーヴル フランス宮廷の磁器 マダム・ポンパドゥール、マリー=アントワネット、マリー=ルイーズの愛した名窯」が、東京の渋谷区立松濤美術館にて、2025年4月5日(土)から6月8日(日)まで開催される。

セーヴル磁器の展開と魅力

《青地色絵金彩花果文皿》 1776-83年 個人蔵
《青地色絵金彩花果文皿》 1776-83年 個人蔵

ヨーロッパの磁器のなかでも最高峰とされる、セーヴル磁器。当時流行していたファッションに着想した小花文や花綱文をはじめ、鳥や人物、風景を華麗な色彩で描いたセーヴル磁器は、ポンパドゥール侯爵夫人やマリー=アントワネット王妃といった妃たちにこよなく愛好された。

《色絵金彩花文台付皿》 1758年 Masa’s Collection
《色絵金彩花文台付皿》 1758年 Masa’s Collection

セーヴル磁器は、もともと王侯貴族向けの注文生産で作られたため、現存数が限られているものの、近年は日本でも優れたコレクションが確立されてきた。展覧会「妃たちのオーダーメイド セーヴル フランス宮廷の磁器 マダム・ポンパドゥール、マリー=アントワネット、マリー=ルイーズの愛した名窯」では、国内コレクションを一堂に集め、セーヴル磁器の展開と魅力を紹介する。

セーヴル磁器の始まり

《瑠璃地色絵金彩鳥図双耳蓋付カップ&ソーサー》 1759年 個人蔵
《瑠璃地色絵金彩鳥図双耳蓋付カップ&ソーサー》 1759年 個人蔵

西洋磁器は、中国磁器への憧れからヨーロッパ各地で開発が試みられるようになった。18世紀には、ドイツのマイセンで初めて焼成が成功し、フランスのブルボン王朝が設立した王立セーヴル磁器製作所によって、西洋磁器の様式が確立されたといえる。その設立には、ルイ15世とその妃マダム・ポンパドゥールが深く関わっている。当時のセーヴル磁器は、甘美なロココ美術と呼応し、精緻で優美な絵付と軽やかな色彩、優美な曲線の器形を特徴としていた。本展の序盤では、《瑠璃地色絵金彩鳥図双耳蓋付カップ&ソーサー》など、初期のセーブル磁器を展示する。

洗練と展開

《色絵金彩壺文カップ&ソケットソーサー》 1771年 個人蔵
《色絵金彩壺文カップ&ソケットソーサー》 1771年 個人蔵

セーヴル磁器最大のパトロンであり、愛好家であったとされるのが、ルイ16世だ。ヴェルサイユ宮殿などの王宮にセーヴル磁器を飾り、王妃マリー=アントワネットに贈るばかりでなく、国内外の贈答にも用いている。この時期のセーヴル磁器は、より軽やかな作風へと変化するほか、新古典主義の広がりとともに、均整をより重んじた作品も登場するようになった。会場では、ブルー・セレスト(天青色)で彩られた《青地色絵金彩花果文皿》や、《藍地金彩七宝飾カメオ文カップ&ソーサー》といった作例を紹介する。

セーヴル磁器の改革

《淡黄地色絵金彩花文動物図スープカップ》 1804年 個人蔵
《淡黄地色絵金彩花文動物図スープカップ》 1804年 個人蔵

18世紀末にフランス革命が起こると、貴族を顧客としていたセーヴルは存亡の危機に見舞われるも、その名声ゆえか閉鎖は免れることとなった。その後、ナポレオンの時代にセーヴルは近代化を推進。王侯貴族に求められた細々とした器種に代わって、記念碑的なテーマの連作や、公的な性格を持つテーブルウェアなどを製作した。また、当時の新古典主義を反映し、荘重なアンピール(帝政)様式を打ち立てている。本展の後半では、ナポレオンの戴冠を記念して作られた《淡黄地色絵金彩花文動物図スープカップ》などを目にすることができる。

展覧会概要

展覧会「妃たちのオーダーメイド セーヴル フランス宮廷の磁器 マダム・ポンパドゥール、マリー=アントワネット、マリー=ルイーズの愛した名窯」
会期:2025年4月5日(土)~6月8日(日)
会場:渋谷区立松濤美術館
住所:東京都渋谷区松濤2-14-14
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00閉館)
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:月曜日(5月5日(月・祝)は開館)、4月30日(水)、5月7日(水)
入館料:一般 800円(640円)、大学生 640円(510円)、高校生・60歳以上 400円(320円)、小・中学生 100円(80円)
※( )内は団体10名以上および渋谷区民の入館料
※土・日曜日、祝休日は小・中学生無料
※毎週金曜日は渋谷区民無料
※障がい者および付添者1名は無料

【問い合わせ先】
渋谷区立松濤美術館
TEL:03-3465-9421

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