地味で、個性的な裕子。透明感のある、麻生とは似ても似つかないようだが、自分に正直なところ、頑固なところは似ているという。
今は、筋トレをメインにがんばっています。パーソナルトレーナーさんについてもらい、ジムで行う筋トレと、それともう一つ、溶岩プレートでの筋トレを。行けるときは、週2回行っていますよ。本当は、運動が嫌いなんですけどね。
腹筋・背筋を鍛えないと、姿勢も悪くなるし、腰痛も出るし(笑)、いつまでもこのままじゃいられないということはわかっていたので、やらなきゃなって思いました。年齢を重ねるなら、きちんとやっていかないとって。
それに、好きなものを食べても、運動すればいいと思えるので、精神的にも、ネガティブにならずポジティブでいられますよ。
若さというか、普段大切にしていることは、自分に正直でいることと、周りに合わせすぎないことです。人と同じじゃつまらないというようなことではなく、仕事の現場でも、プライベートでも、自分らしさを出していくということです。
マイナスなことをちゃんと認めていく。これは、私らしいことだと思います。
例えば、普通だったら人に言わないことを話したり、マイナスな部分を認めて、それをプラスに変えるために明るく努力を続けたり、会話の中で知らないことがあったら、素直に聞いてみたり。年齢的に恥ずかしいことをそのままにはしないようにしています。小さいことの積み重ねですけど、そういうことが大事かなと思っています。
それに、思っていることを素直に話していけば、自ずと私らしさは出ていくのだと思います。
でも子供に対しては、ある程度我慢したり、もちろん作戦を練ったりとかしていますよ(笑)。
一人の女性として、母として、まっすぐ日々に向き合う、麻生。日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞後、彼女の演技の幅を広げる一つのきっかけとなったのは、ドラマ『時効警察』だ。園監督との再会について、話を聞いた。
はい、そうです。ドラマ『時効警察』以降の園監督作品を観ていくと“バイオレンス”という勝手なイメージがあったんです。今回も、これはファンタジーっぽいけれど、実際撮ったら、変わっていくのかな…って最初は思いました。
でも、出来上がってみると、園監督らしさはそのままに、今までにないタイプの映画ができてるなって。監督の世界観まるごとだな、園監督をとても感じられる作品に仕上がったなと思いました。
バイオレンスなイメージが意外なくらい、いつも楽しそうに現場にいらっしゃいますよ。ドラマ『時効警察』よりも、今回のほうが楽しそうに見えました。あんなに楽しそうに撮っている映画監督は初めて見たというくらいに。
今日は、ブラウスとスカートは、コート(CO|TE)です。シューズは、エミリオ・プッチ(EMILIO PUCCI)のものです。
■麻生久美子(あそうくみこ)
1978年6月17日生まれ、千葉県出身。95年『BAD GUY BEACH』で映画デビュー。98年今村昌平監督作品『カンゾー先生』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、新人俳優賞をはじめ、数々の映画賞を受賞。7月19日(日)より、日曜劇場ドラマ『ナポレオンの村』(TBS系日曜21時~)に出演する。
一匹の亀が引き起こす奇跡が、感動のエンターテイメントを届けてくれる、映画『ラブ&ピース』。「私の場合、ファンタジックな奇跡ではないですけど、今村昌平監督と出会えたから、いまこの世界にいると思っているので、自分自身に奇跡は起こったと思っています。」と爽やかに答えた、麻生の演技に注目してみてはいかがだろう。
【ストーリー】
2015年、来る東京オリンピックに向けて湧く東京。うだつの上がらない日々を過ごすサラリーマン・鈴木良一(長谷川博己)。ある日、良一はデパートの屋上で一匹のミドリガメと目が合い、運命的なものを感じる。あきらめたロックミュージシャンへの道、まともに話せないが恋心を抱いている寺島裕子(麻生久美子)への想い…彼の人生を取り戻すのに必要な最後の欠片(ピース)、それがそのミドリガメだった!
【作品情報】
『ラブ&ピース』
公開日:2015年6月27日(土)
監督・脚本:園子温
主題歌:RCサクセション「スローバラード」
特技監督:田口清隆
出演:長谷川博己、麻生久美子、渋川清彦、奥野瑛太、マキタスポーツ、深水元基、手塚とおる、松田美由紀、西田敏行
声の出演:星野源、中川翔子、犬山イヌコ、大谷育江
©「ラブ&ピース」製作委員会