展示品の中に“本物が存在しない”美術館をご存知だろうか。徳島県鳴門市の「大塚国際美術館」には、パブロ・ピカソやピエール=オーギュスト・ルノワール、レオナルド・ダ・ヴィンチなど、古代壁画から世界25ヶ国190余の美術館が所蔵する現代絵画まで、1,000点を超える名画が展示されている。
これらは全て、同美術館を運営する大塚グループが有する特殊技術を用い、陶器の板に焼き付ける事でオリジナルを忠実に再現した「陶板名画」と呼ばれるレプリカだ。「モナ・リザ」「ヒマワリ」「ゲルニカ」など、原寸大で複製された名画の数々が一堂に会し、日本にいながら世界の美術館を体験できる。
中でも注目したいのが、古代遺跡や教会などの壁画を環境空間ごとそのまま再現した環境展示。地下3階に展示されているバチカン宮殿のシスティーナ礼拝堂に入れば、まるで現地にワープしたような不思議な感覚が味わえる。
元来オリジナル作品は近年の環境汚染や地震、火災などによる退色劣化のリスクが避けられないが、陶板名画は約2,000年以上にわたってそのままの色と姿で残るという。モネの「大睡蓮」に関しては、なんと屋外に展示されており、「陶板名画」だからこそ出来るダイナミックな展示は大塚国際美術館ならではの見どころだろう。技術はもとより、構想においても世界初のユニークな美術館となっている。
【施設情報】
「大塚国際美術館」
住所:徳島県鳴門市鳴門町 鳴門公園内
TEL:088-687-3737
開館時間:9:30〜17:00 ※入館は16:00まで
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日) / 8月無休 / 正月明けに連続休館あり
入館料:小中高生 540円、大学生 2,160円、一般 3,240円
URL:http://o-museum.or.jp/