特別展「世界探検の旅—美と驚異の遺産—」が、奈良国立博物館にて、2025年7月26日(土)から9月23日(火・祝)まで開催される。
世界各地から集めた民族資料や考古資料を30万点以上擁する、奈良の天理大学附属天理参考館。特別展「世界探検の旅—美と驚異の遺産—」では、質・量ともに優れた同館のコレクションから選りすぐった作品に、奈良国立博物館が所蔵する仏教美術作品を加えた約220件により、約6,000年におよぶ人類の歴史を紹介する。
本展は、奈良国立博物館では初となる民族文化の展覧会。全3章から構成される会場では、ユーラシア大陸における東西文明の交流、世界各地の信仰と死後の世界観、そして今は失われた20世紀の生活文化などに着目しつつ、天理参考館の貴重なコレクションを軸に紹介する。
ユーラシア大陸では、数千年前に東西に文明が生まれ、それぞれが独自の文字や文化を発達させるとともに、交易や争いを通じて影響を与えあった。第1章「文明の交差する世界」では、オリエントと中国に着目し、文明の誕生からシルクロードを介した東西交流にいたるまでの展開を軸に紹介。約4,000年前のシュメール王の彫像「グデア頭像」や、中国・新石器時代の陶芸の粋である「黒陶高脚杯」、日本の鎌倉時代に作られた「釈迦如来立像(清凉寺式)」などを展示する。
古代社会や世界各地の民族においては、神々や精霊、祖霊への信仰が重要な役割を担ってきた。こうした信仰や死生観は、地域によって様相が大きく異なるものの、神話、舞踊や演劇などとして形式化されてきた。第2章「神々と摩訶不思議な世界」では、ニューギニア島の儀礼用仮面や、バリ島における儀礼劇の仮面、ペルーのミイラ包みなど、世界各地の信仰と死後の世界にまつわる品々を紹介する。
世界各地の民族文化は、社会の急速な変化のもと、少なからず失われることになった。第3章「追憶の20世紀」では、20世紀に作られた世界各地の造形を紹介。カナダにおける戦士の栄誉礼冠やエジプトの水挿し、中国・北京周辺で使用された、文字をほとんど記さない看板「幌子(ホァンツ)」などを展示しつつ、背景にある民族文化の多様性に光をあてる。
奈良国立博物館開館130年・天理大学創立100周年記念特別展「世界探検の旅—美と驚異の遺産—」
会期:2025年7月26日(土)~9月23日(火・祝)
会場:奈良国立博物館 東・西新館
住所:奈良県奈良市登大路町50
開館時間:9:30〜17:00
※毎週土曜日、8月5日(火)〜15日(金)は19:00閉館
※入館はいずれも閉館30分前まで
休館日:7月28日(月)、8月4日(月)・18日(月)・25日(月)、9月1日(月)・8日(月)・16日(火)
観覧料:一般 1,800円(1,600円)、高校・大学生 1,300円(1,100円)、中学生以下 無料
※( )内は前売および20名以上の団体料金(5月21日(水)10:00〜7月25日(金)23:59の販売)
※障害者手帳・ミライロIDの所持者(介護者1名含むなどは無料
※本展の観覧券で名品展(仏像館・青銅器館)も観覧可
【問い合わせ先】
ハローダイヤル
TEL:050-5542-8600