スウェーデン史上記録的な大ヒットとなった映画『幸せなひとりぼっち』が2016年12月17日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷など全国で順次公開されていく。
『幸せなひとりぼっち』が本国で公開されたのはおおよそ1年前の2015年クリスマスの時期。数々の人気クリスマスムービーがそうであったように、本作も”人生とは何か?””愛とは何か?”を考えさせてくれるヒューマンラブドラマ”。笑いあり、涙あり、そしてキュンとなるようなエピソードがストーリーに詰められている。
この映画には原作となる同名小説「幸せなひとりぼっち」がある。今では人気作家となったスウェーデンのフレドリック・バックマンによるデビュー小説で、日本を含む30ヶ国以上で翻訳、200万部以上出版された。
ストーリーは、妻に先立たれ会社もクビになってしまった中年のオーヴェを中心に描かれていく。寂しくて悲しい生活をおくる日々。そして人生をあきらめる…はずだった!?が…そんな生活も一変。隣に引っ越してきたパルヴァネ一家のせいだ。車のバック駐車、ハシゴのレンタル、病院への送迎、娘たちの子守…。オーヴェにとっては迷惑な隣人のはずだったが、いつしかかけがえのない友となり、凍てついた心をゆっくりと溶かしていく…。
60年代+北欧スタイルもキーワードの1つ。例えば、オーヴェの人生のすべてとなる妻ソーニャ。彼女のスタイルも北欧風の60年代ファッションに包まれている。スカーフの使い方、レッドなどポップな色使い、水玉や幾何学模様の洋服にも注目して欲しい。
そのほか、「サーヴ」「ボルボ」など数々のスウェーデンのヴィンテージカーが作品を彩る。オーヴェは「サーヴ」がお気に入り、そして「ボルボ」を完全敵視。一方、友人であるルネは「ボルボ」愛好家で、彼らのやとりもユーモアあふれて描かれる。
映画にあるような住宅街が、実際にスウェーデンにはたくさんあり、それらは60年代から70年代にかけて「文化住宅」として政府によって建てられた、とホルム監督は話している。
愛する妻を失い、哀しみにくれるオーヴェ。1人で生きていく人生に希望が持てず墓参りの度に失意を募らせていた。ある日、そんなオーヴェの隣にパルヴァネ一家が引っ越してくる。浴びせられる罵声をモノともせず、何かと問題を持ち込むパルヴァネにオーヴェは次第に心を開いてゆく。悪態はいつしか愛嬌になり、彼は愛する妻との思い出をゆっくりと語りだした。
『幸せなひとりぼっち』
原題:EN MAN SOM HETER OVE
監督・脚本:ハンネス・ホルム
出演:ロルフ・ラスゴード
原作:フレドリック・バックマン訳:坂本あおい(ハヤカワ書房刊)
2015 年/スウェーデン/5.1ch/116 分/シネスコ/
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