自分は肉体を使うタイプでして、運動など体を動かすことで上手くいくことがあります。でも、それは問題を解決することにはならないんですよね。鎮痛剤を打つことと一緒で、悩み自体は無くならないけれど、症状は緩和することができる。消すことができる、と言うのでしょうか。
例えば歯を食いしばってグッとそれが過ぎるまで我慢する、待つということもありますし、もしそれが自分の失敗なら、気持ちを再調整、整理して自身の価値観や目標みたいなものを考え直すこともあります。
映画『スプリット』で観客に注目してほしいところは?
主要のキャラクターたちそれぞれが苦しんでいるところは、注目して欲しいところですね。私自身が演じるキャラクターはもちろん、他の登場人物も孤独であったり、苦しんでいる。同情できるところも多くあり、観客のみなさんには感情移入して頂けると思います。
こうしてみると、映画『スプリット』は、サイコホラーとしての怖さと、多くの人が共感するテーマが合わさっていますね。マカヴォイさんが考えるこの作品の怖いところは?
怖い要素は極端な行動でしょうね。私たちが住んでいるこの社会は法律、法令があり、警察がいる。誰もがきちんと税金も納めていて…ちゃんと生きているのですけれど、私たちは極端な行動に出る人を認めることができない。だからこそ作品で描かれている強烈な行動は、観客のみなさんに恐怖を感じさせるでしょう。
映画『スプリット』はジェームスさんにとってどんな作品ですか?
自分自身をストレッチできる素晴らしい機会を与えられた作品。それは、とてもハードなトレーニングだったのですが、役者としても非常に鍛えられるところがありましたし、自分にとっては非常にいい体験で、満足度の高い冒険になりました。『スプリット』が、多くの方々に、たくさんの驚きをもたらしてくれると、とても嬉しく思います。
女子高校生3人組が挙動不審の男に拉致された。密室に閉じ込められた3人はやがて、この男が“ひとり”ではないことを知る。神経質で潔癖症の青年デニスから、社交的で人懐っこいナイスガイのバリー、9歳の無邪気な少年ヘドウィグ、さらにはエレガントな女性パトリシアへ…ひとりの人間の中で激しく入れ替わる人格。そう、彼は23もの人格を持つ男だったのだ!そして、驚くべき24番目の人格の発覚が彼女たちを絶望に陥れる。
『スプリット』
公開日:2017年5月12日(金)
監督:M・ナイト・シャマラン
脚本:M・ナイト・シャマラン
出演:ジェームズ・マカヴォイ、アニャ・テイラー=ジョイ、ヘイリー・ル・リチャードソン、ベティー・バックリー
(c) 2017 Universal Pictures