神戸市立博物館にて、2017年4月22日(土)から7月17日(月・祝)まで、展覧会「遥かなるルネサンス 天正遣欧少年使節がたどったイタリア」が開催される。なお、本展は神戸展ののち、青森県立美術館と東京富士美術館を巡回する。
「遥かなるルネサンス」展は、ヨーロッパ文明の語り部となる日本人の育成を目標に欧州へと送り出された、伊東マンショら4名の天正遣欧少年使節が辿ったイタリア各都市のルネサンス美術を、その訪問順に紹介するもの。
イタリア・ルネサンスの中心はフィレンツェと言われているが、ガラス工芸が有名なヴェネツィアや、教皇がいるローマなど、イタリア各都市ではそれぞれに特色のある芸術が発展してきた。本展でも、天正遣欧少年使節が辿った道筋を順に巡ることにより、それぞれの土地で花開いた美術品を、その違いも感じながら鑑賞することができる。
1582年2月に長崎を出港した天正遣欧少年使節は、1585年3月にイタリア・リヴォルノへ到着する。イタリア第一歩目となるこの土地からは、メディチ家の庇護のもと発展した貴石加工技術の粋を見ることのできる《リヴォルノ港の景観》が出品される。象嵌細工でできたテーブルだが、まるで絵画のように鮮やかな色彩で、港の景色が描かれている。
ルネサンスの中心地・フィレンツェより登場する《ビア・デ・メディチの肖像》は本展の目玉作品のひとつだ。メディチ家のお抱え画家であるブロンズィーノの代表作で、日本初公開となる。病気のため幼くして亡くなってしまったコジモ1世の愛娘ビアを、彼女の死後まもなく描いたもの。儚い美しさと純粋さが伝わってくる傑作だ。
ローマで天正遣欧少年使節は、教皇グレゴリウス13世に謁見する。本展では、使節が出会ったグレゴリウス13世を描いた絵画《ヨーロッパ内外にセミナリオを設立するグレゴリウス13世》が展示される。
ヴェネツィアでの見どころは、天正遣欧少年使節が1585年6月にヴェネツィア共和国を訪問した際に元老院によって発注された絵画《伊東マンショの肖像》だ。本作は、同時代の文献から存在が知られていたが、長らく実物は行方不明のままであった。2014年にトリヴルツィオ財団の調査によって発見され、話題となった作品である。
「遥かなるルネサンス 天正遣欧少年使節がたどったイタリア」
会期:2017年4月22日(土)~7月17日(月・祝)
会場:神戸市立博物館
住所:兵庫県神戸市中央区京町24
TEL:078-391-0035
開館時間:9:30~17:30 ※土曜日は19:00まで。※入館は閉館の30分前まで。
休館日:毎週月曜日 ※7月17日(月・祝)は開館。
入場料:一般 1,300(1,100)円、高大生 900(700)円、小中生 500(350)円
※()内は前売りおよび20名以上の団体料金。前売りは一般のみの販売。
■巡回展概要
<青森>
会期:7月28日(金)~9月10日(日)
会場:青森県立美術館
住所:青森県青森市安田近野185
TEL:017-783-3000
開館時間:9:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで。
休館日:8月14日(月)、8月28日(月)
<東京>
会期:9月21日(木)~12月3日(日)
会場:東京富士美術館
住所:東京都八王子市谷野町492-1
TEL:042-691-4511
開館時間:10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで。
休館日:毎週月曜日 ※祝日の場合はその翌日。
入場料:一般 1,300(1,000)円、高大生 800(700)円、小中生 400(300)円
※()内は前売りおよび各種割引料金。