「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」が、2018年1月8日(月・祝)まで六本木・森アーツセンターギャラリーで開催される。
1970年の誕生以来、日本中にたくさんの夢を届けてくれたドラえもん。世界で活躍するアーティストの中にも、私たちと同じように、ドラえもんと出会うことで、夢をふくらませてきた作家が多くいる。
本展は、世界各国のアーティストたちが感じた「ドラえもん」をアートで表現し、「ドラえもん」への思いが詰まった世界にひとつだけのアート作品を生み出すというもの。2002年にも「THE ドラえもん展」として開催されたが、今回はその続編だ。現代の日本をけん引するアーティストの作品をドラえもんを通して感じることで、現代アートの“いま”を見る。
第1弾参加アーティストにとして発表されたのは、2002年の「THE ドラえもん展」にも出展した蜷川実花や村上隆、福田美蘭、森村泰昌に加え、会田誠、梅佳代、小谷元彦、鴻池朋子ら15組。「あなたのドラえもんをつくってください」をテーマに思い思いのアートを披露する。
第2弾アーティストに名を連ねたのは、シシヤマザキ、クワクボリョウタ、後藤映則、近藤智美ら11組。彼らは、1980年公開の『ドラえもん のび太の恐竜』以来、多くの人に愛されてきた「映画ドラえもん」全37作品を題材に、“あなたのドラえもん”を製作。絵画や彫刻、デジタルインスタレーションなど様々な手法を用いて表現する。
また第3弾アーティストとして、奈良美智と増田セバスチャンが参加する。
「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」の監修を務めるのは、美術史家・山下裕二。本展に関して「2002年の「THE ドラえもん展」から15年。この15年の間に、目覚ましい成長を遂げた作家を選び、制作を依頼した。彼らはまさにドラえもん世代といえるだろう。国民的キャラクターと、最先端の現代アートとのコラボレーションに、多くの観客が瞠目されるにちがいない。」とコメントとしている。
展示予定作品の中から、一部アーティストの完成作品を紹介。それぞれの個性が感じられる作品をチェックして。
グッズも集めていたほどドラえもんが大好きという画家・近藤智美。彼女が手掛けた作品は、1986年公開の、『映画ドラえもん のび太と鉄人兵団』に登場する鏡面世界を表現した『ときどきりくつにあわないことするのが人間なのよ』という作品。このタイトルは、作中でのしずかちゃんの言葉がもととなっている。作品の上部は2045 年、下部は映画公開の原作のマンガがスタートした1985年をテーマにしており、鏡面世界と現実の中で、誰もが感じるノスタルジーな部分を描き出した。
水墨画家の山口英紀とペーパーアーティストの伊藤航が共作で制作したのは、『ドラえもん ひみつ道具図典 ~タケコプター~』。モチーフは、1992年公開の『映画ドラえもん のび太と雲の王国』のひみつ道具だ。伊藤が制作したペーパークラフトのひみつ道具を、山口が水墨画で細密模写。さらに説明文を添えた。紙でリアルに具現化された未来のひみつ道具と、そのひみつ道具が懐かしいものであるかのような説明描写は、不思議な時空を感じさせる。
なお、音声ガイドナビゲーターはフリーアナウンサーの羽鳥慎一で、本人は、ドラえもん世代であり、ドラえもんが大好きだそう。
会場内特設ショップでは、本展覧会の全出品作品を掲載した公式図録のほか、アーティストの出展作品がデザインされたポーチやクッキー缶、展覧会限定「COLOR THE DORAEMON」シリーズのトートバッグやリングノートなどオリジナルグッズ300アイテム以上を販売。お土産から実用的なものまで、そのラインナップは多岐にわたる。