ファイナルファンタジー30年の歴史を“別れ”で括る回顧展「FINAL FANTASY 30th ANNIVERSARY EXHIBITION -別れの物語展-」が、六本木ヒルズ森タワー52階・森アーツセンターギャラリーにて、2018年1月22日(月)から2月28日(水)まで開催される。
スクウェア・エニックスによって生み出され、全世界累計1億3,500万本以上の出荷・ダウンロード販売を誇るRPGシリーズ「ファイナルファンタジー」。誕生30周年を記念して、これまで横浜市とのコラボレーション企画をはじめ様々なプロモーションを展開してきた。「FINAL FANTASY 30th ANNIVERSARY EXHIBITION -別れの物語展-」は、その集大成となる大規模展覧会だ。
「ファイナルファンタジー」、通称FF(エフエフ)。据え置きゲーム機のRPGジャンルに多くの新しいコンセプトを導入したゲームシリーズ作品として誕生し、スーパーファミコンやニンテンドーDSなどのゲーム機をはじめ、CGアニメ、アニメでも展開されている。日本のみならず世界で愛され、最多の作品数を有するRPGシリーズとして2017年にはギネス世界記録に認定された。
その魅力として挙げられるのは、CGによる圧倒的に美しいグラフィックや人間味に溢れた個性豊かなキャラクターたち、そして感動的なストーリーだろう。中でも、シリーズを通して数多く描かれてきたのが、記憶に残る“別れの物語”だ。
今回の回顧展は、作品の中で描かれてきた数々の“別れの物語”を様々な趣向を凝らした体験型展示で再構築したもの。戦友・親子・恋人など、キャラクターたちの数々の”別れの物語”が紹介される。
会場に足を踏み入れると、まず来場者にはiPhoneを採用した専用音声ガイド機が手渡される。展覧会はヘッドホンをつけて鑑賞するスタイルとなっており、展示物の前に立つとシンクロしたゲームBGMやキャラクターボイスが自動的に流れてくる仕組みだ。FFのプレイヤーなら一度は聞いたことのある台詞や音楽が楽しめる。
さらにユニークな試みが。展示会を楽しんだ後に、iPhoneをQRコードにかざすと、自身が足を止め会場で聴いた楽曲のプレイリストが印字・配布される。会場で気に入った曲をあとで振り返ることが可能となっている。
会場は「FFⅠ〜FFVⅠ」「FFX」「FFXV」などこれまでのFFシリーズ別に分けた、9エリアで構成されている。この記事では、中でも抑えておきたい見どころを紹介。
見どころの1つは、まず初めに現れるアトラクションのような“参加型インタラクティブシアター”。
高さ3.9m×幅12mの巨大壁面に大迫力映像が投影され、参加者は飛空艇エンタープライズ号に乗り込み、次元の狭間を超えてファイナルファンタジーの世界へと旅立つ。大画面の映像に合わせ強風が吹き、まるでFFの世界に入っているかのような感覚に。手元の音声ガイド機が映像と連想しており、操作して仲間とともに強敵倒していく。
会場を進むと現れるのが、壁一面に鏡とモニターが張られ、青一色に染まった現像的な部屋だ。
ここでは、FFXの主人公・ティーダとユウナの軌跡が表現されている。違う世界の住人でありながら、惹かれあう二人。彼らの出会いから、それぞれの悲しい運命、そして別れのラストシーンが映し出され、2人の台詞とシンクロする。まるで二人の記憶の中に迷い込んだかのような気分になれる、ドリーミーな展示となっている。
さらに進んだ先に現れる、FFXVエリア。ここでは、ノクティスとルナフレーナにフォーカスした展示が登場。ゲーム本編では、ラストシーンで”幻の結婚式”として一瞬だけ映し出されていたが、ここではじっくりと味わうことができる。
寄り添い幸せそうな二人の姿の周りには、父レギスやグラディオラス、プロンプトといった親友たちが、二人を祝うかのように優しく祝辞を語りかける映像が。今回のために用意された特別なシナリオとなっているので、是非足を止めたいエリアだ。