展覧会「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ ―― 線の魔術」が、渋谷Bunkamura ザ・ミュージアムのほか、京都・京都文化博物館、北海道・札幌芸術の森美術館、愛知・名古屋市美術館、静岡・静岡県立美術館、長野・松本市美術館にて開催される。
アール・ヌーヴォーを代表する芸術家であり、“線の魔術”と評される繊細で華やかな作風で世界中の人々を魅了してきたアルフォンス・ミュシャ。その作品は国や時代を超え、後のデザインやアートにも大きく影響を与えている。
今回開催される「みんなのミュシャ」では、ミュシャが手掛けたポスターなどの代表作を揃えるほか、ミュシャに強い影響を受けた明治期の文芸誌の挿絵や、1960年代を中心にアメリカ西海岸やロンドンで一大ムーブメントを巻き起こしたグラフィック・アート作品、日本のマンガ家やアーティストの作品など、関連作品を含む約250点の作品を紹介。ミュシャの没後80年となる節目の2019年に、多彩な作品を通して、幅広く愛されるミュシャの秘密に迫る。
たとえば、繊細で流れるようなタッチで描かれた天野喜孝による《ファイナルファンタジーXIV 嵐神と冒険者》は、構図や躍動感のある表現から影響が見て取れる。
天野は、本展の開催に際し、「ミュシャの描いたファンタジーの世界に触発されて、現実の世界ではなく、想像の世界、神話性のある物語の世界を描きたいと思いました」とコメントを寄せている。
また、少女漫画家・山岸凉子の「アラベスク」の絵からも、優美で華やかなミュシャの画風が見て取れる。山岸自身も「少女マンガには、日本のデザインの黎明期にミュシャが与えた影響が色濃く出ている」と評しており、日本の芸術やデザイン、漫画にも絶大な影響力を及ぼしたことが窺える。
また会場には、本展ならではのスペシャルコラボレーショングッズが多数登場。不二家のアイコンガール「ペコちゃん」とミュシャがタッグを組んだサブレのオリジナル缶には、繊細かつ豪華なミュシャ作品の中に、花をまとった優美なペコちゃんの姿が。
そのほか、ミュシャの《椿姫》をパッケージにデザインした「黒船」のカステラ「ザラーラ」や、ミュシャ作品をプリントしたiPhoneケース、複製原画、展覧会カタログなど、バリエーション豊富なグッズの数々が用意されている。