日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」が、東京国立博物館平成館にて2019年7月9日(火)から9月16日(月・祝)まで開催される。また、福岡・九州国立博物館に巡回し、2019年10月1日(火)から2020年1月5日(日)まで開催される。
2世紀末の中国において、前後400年あまり続いた漢王朝の権威がかげりを見せると、魏の曹操、蜀の劉備、呉の孫堅・孫権といった各地の有力武将が次々に歴史の表舞台へと躍り出た。そうして魏、蜀、呉の三国が天下を分かち、新時代へと向かう大きなうねりとなっていった。こうして三国時代が幕を開ける。魏、蜀、呉といった三国の動向は、正史『三国志』や小説『三国志演義』によって、時代を超えて人々に親しまれている。
特別展「三国志」では、三国志研究史上、最大の発見で、中国国外初出品となる河南省の「曹操高陵(そうそうこうりょう)」出土品や、呉の皇族クラスの墓と目される江蘇省の上坊1号墓など、最新の発掘・研究成果が目白押し。実物ならではの説得力と、歴史書や物語をしのぐ迫力を持った出土品などを展示する。「リアル三国志」を合言葉に、漢から三国の時代までの文物を紐解き、「三国志」の実像に迫っていく。
2009年に発掘され話題を呼んだ「曹操高陵(そうそうこうりょう)」をはじめとする、支配者の古墓の出土品からは、豪華さよりも質素倹約を良しとした支配者達の意識が窺える。中国国外で初公開となる「曹操高陵(そうそうこうりょう)」出土品の「罐(かん)」は、白化粧に透明釉をかけて高火度で焼き上げた「白磁」の容器。「白磁」は従来6世紀末頃に出現したと考えられていたが、本品はこれを300年以上さかのぼったものとなっている。
虎形の、棺を乗せる台座「虎形棺座(とらがたかんざ)」は、呉の皇族級の人物が葬られているとされる上坊1号墓から出土。上坊1号墓は、呉の墓では最大規模を誇り、副葬品や墓の作りも随一の墓とされている。
せめぎ合う三国の熾烈な争いを象徴するような武器や、合戦を記録した物品も登場。「撒菱(まきびし)」や「蛇矛(じゃほう)」「鈎鑲(こうじょう)」といった武器からは、戦乱のリアルな空気感を感じ取ることができる。
さらに、曹操、劉備、孫権といった英傑たちのルーツを辿る品も。青銅、金銀象嵌、メノウで作られた「豹」は、蜀の劉備の始祖・中山靖王劉勝(ちゅうざんせいおうりゅうしょう)夫婦の墓から発掘された豪華な1品。圧倒的な富と権力を象徴する、絢爛な意匠に注目だ。
また、小説や漫画、ゲーム、人形劇など幅広いジャンルで表現され世代を超えて親しまれている「三国志」。特別展「三国志」においても、様々な「三国志」作品とのコラボレーション企画を実施する。詳細は、公式サイトにて順次発表予定。
日中文化交流協定締結40周年記念 特別展「三国志」
会期:2019年7月9日(火)~9月16日(月・祝)
会場:東京国立博物館平成館(上野公園)
住所:東京都台東区上野公園13-9
休館日:月曜、7月16日(火) ※ただし7月15日(月・祝)、8月12日(月・休)、9月16日(月・祝)は開館
開館時間:9:30~17:00 ※金・土曜は21:00まで(入館は閉館30分前まで)
観覧料:
・当日券 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 900円
・前売券 一般 1,400円、大学生 1,000円、高校生 700円
・団体券 一般 1,300円、大学生 900円、高校生 600円
※前売券・グッズセット券は、4月9日(火)から販売
※東京国立博物館正門チケット売場(窓口、開館日のみ、閉館30分前まで)、展覧会公式サイト(オンラインチケット)、セブンチケット、ローソンチケット、チケットぴあ、イープラス、CNプレイガイド、その他各プレイガイド
※中学生以下無料
※団体は20名以上
※障がい者とその介護者1名は無料(入館の際に障がい者手帳など提示が必要)
問い合わせTEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
■巡回展〈福岡〉
会期:2019年10月1日(火)~2020年1月5日(日)
会場:九州国立博物館(太宰府天満宮横) 3階
住所:福岡県太宰府市石坂4-7-2
休館日:月曜(ただし10月14日(月・祝)、11月4日(月・祝)は開館)、10月15日(火)、11月5日(火)、12月23日(月)~31日(火)
開館時間:9:30~17:00 ※金・土曜は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
問い合わせTEL:NTTハローダイヤル 050-5542-8600(8:00~22:00/年中無休)