東京国立近代美術館の展覧会「ピーター・ドイグ展」が、2020年6月12日(金)より日時指定制で再開。会期は10月11日(日)まで延長された。
「ピーター・ドイグ展」は、イギリスの現代アーティスト、ピーター・ドイグの初期作から最新作まで、約70点の作品を紹介しながら、その制作手法に迫る展覧会。日本では初の個展となる。
ピーター・ドイグは、ロマンティックかつミステリアスな風景を描く画家として知られ、ロンドンのテート、パリ市立近代美術館、エジンバラのスコットランド国立美術館、ウィーンの分離派会館といった世界有数の美術館で個展を開催してきた。同世代、後続世代のアーティストに多大な影響を与えていることから、過去の巨匠になぞらえて、しばしば「画家の中の画家」と評されている。本展にも出品予定の代表作《のまれる》は、オークションにて、2015年当時の約30億円相当で落札された。
ピーター・ドイグは、ゴッホやゴーギャンなどの近代画家の作品の構図やモチーフ、映画のワンシーン、写真、自らが暮らしたカナダやトリニダード・トバゴの風景、記憶といったさまざまな要素から作品を構築。多様なイメージから成るピーター・ドイグの作品は見る者の想像力や記憶を刺激し、いつかどこかで見たことがあるように感じられるのが特徴だ。
会場には、日本のニセコのスキー場を描いた《スキージャケット》や小津安二郎の映画『東京物語』を念頭に置いて描かれた《ラペイルーズの壁》、幅3メートルを超える大型作品などの、貴重な作品が集結。映画『13日の金曜日』のワンシーンから発想した「カヌー」モチーフの絵画も登場する。一連の作品からは、人々の想像力をかきたてる、豊かな世界観を体感することができる。
また、ピーター・ドイグがトリニダード・トバゴ出身の友人のアーティスト、チェ・ラブレスと2003年から始めた映画の上映会「スタジオフィルムクラブ」も紹介。近隣住人に上映会を周知するために掲出された、ポスターのドローイングが展示される。「スタジオフィルムクラブ」では、名画座やミニシアターから着想を得た、過去の名作映画などを上映。上映が終わると作品について話し合ったり、音楽ライブへと展開したりと、ある種の文化サロンのようなコミュニティが形成されていく。
【詳細】
展覧会「ピーター・ドイグ展」
会期:2020年2月26日(水)~10月11日(日)〈日時指定制〉
※2020年2月29日(土)から臨時休館していたが、6月12日(金)より再開
※当初は2020年2月26日(水)~6月14日(日)の会期を予定していたが、変更しての開催
開館時間:10:00~17:00(入館は閉館30分前まで)
※当面のあいだ、金曜・土曜の夜間開館は実施しない
休館日:月曜日(8月10日(月)、9月21日(月)は開館)、8月11日(火)、9月23日(水)
会場:東京国立近代美術館 1階 企画展ギャラリー
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
観覧料:一般 1,700円、大学生 1,100円、高校生 600円
※価格はいずれも税込
※中学生以下および障がい者手帳持参者とその付添者1名は無料
※公式サイトより日時指定チケットを購入(6月10日(水)10:00から)
※すでにチケットを購入している場合、あるいは観覧料無料対象の場合、開館時間中に原則いつでも入場可能だが、混雑状況に応じて待つ場合あり
※チケットの払い戻しおよび来館に際しての注意事項は、公式サイトを確認のこと
※本展の観覧料で入館当日に限り、「MOMATコレクション」(4F~2F、所蔵品ギャラリー)、およびコレクションによる小企画「北脇昇:一粒の種に宇宙を視る」(2F、ギャラリー4)も観覧可
※予定は変更となる場合あり
【問い合わせ先】
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)