第77回ゴールデングローブ賞の受賞結果が、日本時間の1月6日(月)に発表された。“アカデミー賞の前哨戦”として名高い、映画界のビッグアワードで、栄冠を手にした作品&俳優は?激戦を繰り広げたノミネート作品と共にチェックしてみて。
サム・メンデス監督作、第一次世界大戦を舞台にした戦争映画『1917 命をかけた伝令』。彼がこの作品で最も注力したのは、兵士たちの一日を“リアルタイム”で映し出すこと。“屋外ロケでワンカット撮影”という驚きの手法で、若きイギリス兵の一日をリアルに描き出す。話題作『ジョーカー』を抑えて見事作品賞(ドラマ部門)を獲得したほか、監督賞も受賞する快挙となった。
■ノミネート作品
『アイリッシュマン』<Netflix作品>
『ジョーカー』
『マリッジ・ストーリー』<Netflix作品>
『2人のローマ教皇』<Netflix作品>
『ジュディ 虹の彼方に』は、1939年の映画『オズの魔法使』で若くしてスターの仲間入りを果たした“伝説のミュージカル女優”ジュディ・ガーランドの半生を追った伝記作品。そんなジュディを演じるのは、「ブリジット・ジョーンズの日記」シリーズで主人公を演じたレネー・ゼルウィガー。歌はもちろんのこと、ジュディの独特な訛りや声色、そしてステージパフォーマンスの動きもマスターした彼女は、第77回ゴールデングローブ賞受賞式において、主演女優賞(ドラマ部門)に輝いた。
■ノミネート者
シンシア・エリヴォ(『ハリエット(原題)』)
スカーレット・ヨハンソン(『マリッジ・ストーリー』)
シアーシャ・ローナン(『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』)
シャーリーズ・セロン(『スキャンダル』)
レネー・ゼルヴィガー(『ジュディ 虹の彼方に』)
DCコミックスの人気ヴィラン<ジョーカー>の始まりを描いた2019年話題作『ジョーカー』。第77回ゴールデングローブ賞において、見事主演男優賞(ドラマ部門)を受賞したホアキン・フェニックスは、撮影当時、約24キロも減量し”腹を空かした不健康な男、栄養失調の狼”に変身。まるでジョーカーそのものが乗り移ったような怪演で、世界中の観客たちを虜にした。なお同授賞式では、作曲賞も獲得。
■ノミネート者
クリスチャン・ベイル(『フォードvsフェラーリ』)
アントニオ・バンデラス(『PAIN AND GLORY (原題)』)
アダム・ドライバー(『マリッジ・ストーリー』)
ジョナサン・プライス(『2人のローマ教皇』)
クエンティン・タランティーノ監督×ディカプリオ×ブラッド・ピットの豪華共演作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』。1969年のハリウッドを舞台に、実際に起こったチャールズ・マンソンとその信者による女優シャロン・テート殺害事件を題材にストーリーが描かれる。第77回ゴールデングローブ賞授賞式においては、作品賞(コメディ/ミュージカル部門)をはじめ、脚本賞、助演男優賞(ブラッド・ピット)の最多3冠を達成!
■ノミネート作品
『ルディ・レイ・ムーア』<Netflix作品>
『ジョジョ・ラビット』
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』』
『ロケットマン』
映画『フェアウェル』は、実際の“嘘”に基づく中国の家族のストーリーを描いたハートフルドラマ。余命わずかとなった祖国の祖母のもとに駆け付けたのは、国外で散り散りになった中国のファミリー。伝統に従い“残された時間”を打ち明けない彼らが、祖母との最期の時を過ごす姿が描かれる。主演女優賞を獲得したオークワフィナは、『オーシャンズ8』でスリが得意なコンスタンスを演じた注目女優。本作では、大好きな祖母を想う不器用で優しい主人公を熱演した。
■ノミネート者
アナ・デ・アルマス(『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』)
ケイト・ブランシェット(『WHERE'D YOU GO, BERNADETTE(原題)』)
ビーニー・フェルドスタイン(『ブックスマート(原題)』)
エマ・トンプソン(『レイトナイト 私の素敵なボス』)
映画『ロケットマン』は、伝説的ミュージシャン“エルトン・ジョン”の半生を描いたミュージック・エンターテイメント。 映画には、『ボヘミアン・ラプソディ』x『キングスマン』の豪華制作陣が集結したほか、エルトン・ジョン自身もプロデューサーとして参加。見事主演男優賞を獲得したタロン・エガートンは、過酷なボイストレーニングを経て、エルトンの楽曲を吹き替え無しで披露している。
またエルトン・ジョン×タロン・エガートン共演による楽曲「(アイム・ゴナ)ラヴ・ミー・アゲイン」は、第77回ゴールデングローブ賞において主題歌賞にも輝いた。
ノミネート者
ダニエル・クレイグ(『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』)
ローマン・グリフィン・デイヴィス(『ジョジョ・ラビット』)
レオナルド・ディカプリオ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)
エディ・マーフィ(『ルディ・レイ・ムーア』)
『MISSING LINK (原題)』
■ノミネート作品
『アナと雪の女王2』
『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』
『ライオン・キング』
『トイ・ストーリー4』
『パラサイト 半地下の家族』は、韓国の若き巨匠ポン・ジュノ 監督手掛ける韓国映画。全員失業中“半地下”住宅で暮らす貧しいキム一家と、超裕福なパク家という“相反する”2つの家族の出会いによって生まれるストーリーが描かれる。第72回カンヌ国際映画祭最高賞パルムドール獲得に続き、第77回ゴールデングローブ賞においては<外国語映画賞>を受賞。いずれも韓国史上初の快挙となる。