図書館と美術館と博物館が融合する「角川武蔵野ミュージアム」が、埼玉県所沢市の再開発によって誕生する大規模複合施設「ところざわサクラタウン」内に誕生。2020年8月1日(土)より、1階の「グランドギャラリー」と「マンガ・ラノベ図書館」、2階のカフェがプレオープンし、11月6日(金)に「本棚劇場」を含め全施設がグランドオープンを迎える。
「角川武蔵野ミュージアム」は、図書館と美術館と博物館が融合した文化複合施設であり、 KADOKAWAと埼玉県所沢市が共同で進めている街づくりプロジェクト「クール ジャパン フォレスト(COOL JAPAN FOREST) 構想」の拠点施設「ところざわサクラタウン」内でもひときわ目を引く存在となる。
世界的建築家の隈研吾が国立競技場と同時期にデザインした、多面体の“岩デザイン”の外観は、まるで大地から隆起した建築物のようで、見るものを圧倒する。
ミュージアム内では、地上1階から5階までで、リアルとバーチャルの展示を織り交ぜた展示を展開予定。館長である編集工学者の松岡正剛、博物学者の荒俣宏、芸術学・美術教育の研究者である神野真吾、建築家の隈研吾の体制のもと、革新的なミュージアムをつくりあげる。
<主な施設>
1階:グランドギャラリー、マンガ・ラノベ図書館、源義庭園
2階:総合インフォメーション、角カフェ、ロックミュージアムショップ(11/6開業予定)
3階:EJアニメミュージアム(2020年11/6開業)
4階:エディットタウン(11/6開業)、荒俣ワンダー秘宝館(11/6開業)、本棚劇場(11/6開業)
5階:武蔵野回廊(11/6開業)、武蔵野ギャラリー(11/6開業)、レストラン(11/6開業)、本棚劇場(11/6開業)
建物の4階から5階にかけて展開される、高さ8メートルの巨大本棚に囲まれる空間「本棚劇場」は、「角川武蔵野ミュージアム」の象徴と言える場所だ。違い棚のように互い違いに複雑に入り組んだ構造の本棚には約3万冊が収容されている。
本棚の下部には、KADOKAWA刊行物の新刊をメインに配置。さらに、角川源義文庫、山本健吉文庫、竹内理三文庫、外間守善文庫、山田風太郎文庫のほか、個人蔵書の書物がぎっしりと並んでいる。本に囲まれる圧巻の風景は、本好きならずとも心打たれることだろう。
「本棚劇場」の最も奥に位置する壁では、定期的に「本と遊び、本と交わる」をコンセプトとしたプロジェクションマッピングを上映する。行くたび違う楽しみに出会えるのも嬉しい。今後「本と遊ぶ、 本と交わる」をテーマに、 アナログとデジタルの融合による多彩な実験的演出が予定されている。
「本棚劇場」まで行く際、4階のエレベーターを降りると、本棚に囲まれた「エディットタウン」が、まず目に飛び込んでくる。その中央を貫く「ブックストリート」には、約2万5千冊が、館長・松岡正剛の監修による9つの文脈にそって配置されている。本の息づかいや賑わいが感じられるこの空間は、さながら“本の街”だ。
この“本の街”では、自分の好きな作家やジャンルを選びながら、好きな本を手に取ることができ、さらには館内であればレストランやカフェなどでゆったりと読むこともできる。
また、「エディットタウン」は、奥へと進んでいく途中に「角川武蔵野ミュージアム」を最も象徴する図書館×美術館×博物館の融合の地にたつ。左手側には美術館の機能をもつ「エディット&アートギャラリー」、まっすぐ進み“言葉のカーテン”をくぐっていくと「本棚劇場」、そして右手側には博物館の機能をもつ「荒俣ワンダー秘宝館」が設けらている。
オープン時、「エディット&アートギャラリー」では、日本人とオーストラリア人によるアーティストユニット「米谷健+ジュリア」の日本初の大規模個展「米谷健+ジュリア展 だから私は救われたい」が開催される。美とユーモアと毒を併せ持つ彼らの作品群は、現代に生きる私たちはどのように不安に立ち向かっていくのか?「救われたい」思いはどのよう果たされるのか?といった普遍的な問いを訴えかける。
荒俣ワンダー秘宝館は、日本初の“ワンダーなモノ”を集めた博物館。館内は、展示物を手に取って見られるコーナーを持つ「半信半疑の地獄」と、生物の美しさや不思議を体感できる「生命の神殿」で構成されている。
「半信半疑の地獄」は、ピーコックスパイダーの模型や巨大マンモスの牙、美しい昆虫標本など、世界中から集めた珍品が所狭しと並んだ”カオスな空間”。一方、「生命の神殿」では、「自然界に見られる相似性」に着眼したウサギノネドコによる5つの展示作品や、 海中の生物を繊細なガラスで表現したつのだゆきによる作品などを通して、化学と芸術の融合を楽しむことができる。