2021年1月22日(金)、岡田将生と志尊淳のW主演で全国公開される映画『さんかく窓の外側は夜』。岡田将生演じる霊を祓うことができる男=冷川(ひやかわ)と、志尊淳演じる霊を視ることができる男=三角(みかど)のふたりが、“除霊”を使って事件を解決するミステリー作品だ。コミックス130万部を超え圧倒的ファンを抱えるヤマシタトモコによる漫画の実写化とあり注目度も高い。
また、ストーリーのカギを握るヒロイン・ヒウラエリカ役に、初主演映画以来2年ぶりの映画出演となる平手友梨奈を起用することでも話題を呼んでいる。
公開に先駆けて、主演の志尊淳とヒロイン役の平手友梨奈にインタビューを実施。『さんかく窓の外側は夜』の物語の魅力から撮影現場での裏話までを語ってもらった。
『さんかく窓の外側は夜』の物語への第一印象を教えてください。
平手:演じることが決まって、まずは原作を読むことから始めたのですが、普段漫画を読まない私でも、先が気になるからどんどん読み進められて。いろんなことを新鮮に感じられるストーリーだと感じました。
志尊:そうだよね。僕も同じく、『さんかく窓の外側は夜』のストーリーはとても新しいなって思いました。
どのような面が新鮮だったのでしょうか。
志尊:ファンタジーでありながら、リアリティでもある。霊が視えるとか、除霊ができるとか、抽象的なことが多いのに、一方で現実にあるかもしれない、と思わせる“生っぽさ”があります。これは演じる上で、僕自身もかなり意識していました。
リアリティの要素はどのような部分で感じられるのでしょうか。
志尊:表向きはミステリーなのですが、芯の部分では、登場人物がコンプレックスを受け入れて成長していく姿だったり、言葉の持つ重みだったりを描いています。
僕が演じた三角も、てち(平手友梨奈)が演じたエリカも、それからまーくん(岡田将生)が演じた冷川も、“霊が視える、”“除霊ができる”というマイノリティであるところが、自身のコンプレックス。それを克服し、成長していくというのがこの作品の軸になっています。
実は今の社会に対してのメッセージになっているんです。
平手さんも同じように感じられていましたか。
平手:はい。私が演じたエリカは、呪いを操る力のある女子高生。「普通の女子高生になりたいけれど、能力を持ってしまったがために、普通になれない」というコンプレックスで苦しんでいるし、心の中で葛藤しています。それが怒りみたいな感情にもなっていく。
劇中のセリフの中で「幽霊よりも人間の方が怖い」という言葉があるのですが、本当にその通りだなと感じる作品です。
役を演じる上で大変だったことは?
志尊:感情の起こし方が大変でしたね。例えば、目覚めてすぐに悲しい感情が襲ってきたり、マイナスの感情の中で気絶したり。身体的にもきつくて、特に僕が演じた三角は、過呼吸のように発作を起こすシーンが多くて、“ハアハア”と荒く呼吸をする演技が度々ありました。撮影テストから本気でやりすぎたせいで、酸欠みたいになってしまい、目がチカチカしたこともありました(笑)。
平手:わかります。私も同じように発作になるようなシーンがありましたが、大変でした(笑)。
平手さんが一番大変だと感じられたのはどのような点ですか。
平手:久しぶりに女子高生の制服を着たのですが、それが一番大変だったかもしれません。
志尊:でも、撮影した時は現役の女子高生だったでしょう?
平手:そうだったんですけどね……。今回はリアルな女子高生を描きたいということもあって、スカートは、普段私が絶対に履かないような短い丈で。ずっとソワソワしていました(笑)。
立ち姿や制服の着こなし方から、女子高生を演じられるようにしたいと思っていたのに、「ミニスカートでどうやって歩くんだっけ?」って、かなり初歩的なところから悩んでしまいました。
撮影現場はかなり寒かったそうですし、その中でのミニスカートは身体的も大変そうです。
平手:うーん、そんなことなかったですよ。
志尊:いやいや、かなり寒かったのに、てちは絶対に寒いって言わなくて。体は完全に震えてるのに、「寒くないです」って言い張ってたよね。
膝から崩れ落ちるシーンでは、怪我がないようスタッフさんが膝パットを用意してくれていたのですが、付けることを拒んでいて。絶対に弱音を吐かないんだよね。
それはすごい。そこまでした理由は?
平手:エリカの気持ちになるには、そのままの方がいいかなって。膝パットなんて入れていたらダメだと思ったんです。
志尊:見ているこちらが心配になるくらいで。現場でその凌ぎあいをしてましたね(笑)。
本編はシリアスな雰囲気だが、撮影現場はあたたかい現場だったという。最後に、撮影現場での印象的だったエピソードを聞いた。
撮影現場での何か印象的なエピソードがあれば伺いたいです。
志尊:先ほどのスカートの話の延長線上にあることなんですが、僕とまーくんで、てちを買い物に連れていってあげようと話していました。てちは撮影中に「スカートが似合わない」とずっと言い張っていたけど、とても似合っていたから、スカート買ってみようよって。そしたら断られてしまって(笑)。
平手:買い物は行きたかったんですけどね。スカートはやっぱり普段あまり履かないので……。
志尊: プレゼントしようっていう話も出ていたんですけど、強要しすぎるのも変だし、結局辞めました (笑)。
平手:そう!そのプレゼントにまつわる話で、志尊さんって本当にすごいなと感じたことがありました。
撮影の時に、私がよく身に着けていたブランドの話をたまたましていたのですが、それを覚えていてくれて、誕生日にそのブランドのトレーナーと鞄を贈って下さったんです。
志尊:あのセットの中にスカートが入る予定だったんだけどね。マネージャーさんと一緒にお店で迷って辞めました。
平手:ええ!そこまでして下さってたんですね……申し訳ないです…。でも、もらっていたら絶対履きます!!(笑)
志尊:じゃあ今度プレゼントするならミニスカートだな(笑)。
平手:……それは履けないかもしれません(笑)。
1995年生まれ。東京都出身。11年ミュージカル『テニスの王子様』で俳優デビューを果たし、14年「烈車戦隊トッキュウジャー」で注目を集める。近年の主な映画出演作に『帝一の國』『フォルトゥナの瞳』『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』『HiGH&LOW THE WORST』など。その他、NHK連続テレビ小説「半分、青い」「潤一」をはじめ多数テレビドラマにも出演。第43回エランドール賞新人賞・TVガイド賞ほか、NHKドラマ10「女子的生活」における演技により第11回コンフィデンスアワード・ドラマ賞主演男優賞、第73回文化庁芸術祭テレビドラマ部門放送個人賞を受賞。
2001年生まれ。愛知県出身。15年8月に結成された女性アイドルグループ欅坂46のメンバーとして、16年「サイレントマジョリティー」でデビュー。18年『響 -HIBIKI-』で映画初出演にして初主演を務め、第42回日本アカデミー賞で新人俳優賞、第31回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞で新人賞を受賞した。
公開日:2021年1月22日(金)
※2020年10月30日(金)を予定していたが延期となった。
出演:岡田将生、志尊淳、平手友梨奈、滝藤賢一、マキタスポーツ、新納慎也、桜井ユキ、和久井映見、筒井道隆
監督:森ガキ侑大
脚本:相沢友子
原作:ヤマシタトモコ「さんかく窓の外側は夜」(リブレ刊)
配給:松竹
ストーリー
書店で働く三角康介は、一見普通の青年だが、幼い頃から幽霊が見える特異体質に悩まされていた。ある日、書店に除霊師・冷川理人がやってくる。「私といれば怖くなくなりますよ」の一言で、三角は冷川と除霊作業の仕事を共にすることになる。
そんな中、ふたりは刑事・半澤より一年前に起きた連続殺人事件の話を持ち掛けられる。調査をはじめたふたりは、やがて遺体を発見するが、その遺体には呪いがかけられていたのだ。真相を探るふたりに度々聴こえてくる死んだ殺人犯の声。そしてふたりはある言葉にたどりつく。
「ヒウラエリカに....だまされた....」。この事件には、呪いを操る⼥⼦⾼⽣・⾮浦英莉可の影が潜んでいたのだ。果たして〈ヒウラエリカ〉とは何者なのか︖事件との関係は︖死者からの謎のメッセージを解き明かそうとする冷川・三⾓の⼆⼈は、やがて⾃⾝の運命をも左右する、驚愕の真実にたどり着く。