企画展「MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨」が、東京都現代美術館にて、2021年7月17日(土)から10月17日(日)まで開催される。
若手アーティストの活動を通して、国内の現代美術の流れを紹介するグループ展「MOTアニュアル」。その17回目となる「MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨」では、映像を主軸としつつ、自らや他者の身体表現を取り入れた作品を手がけてきた3人の現代作家、小杉大介、潘逸舟、マヤ・ワタナベを紹介する。
小杉大介は、社会を制御するシステムのなかで揺れ動く主体への関心のもと、映像などの制作を手がけてきた。本展では、“規格化された身体”に合わせて構築される建築の居住空間と相入れない身体の葛藤を、父と子という個人的な関係から静かに見つめた《A False Weight》を展示。加えて、トラウマの恐怖や痛みを身体がいかに再体験するかを探る新作の映像作品も発表する。
一方、潘逸舟は、幼少期に上海から青森に移り、日本で生活してきた自身の経験や視点をベースにして、2つの国家のあいだで揺れ動く主観性を考察してきた。本展では、《戻る場所》や《波の収穫》など、パフォーマンスを記録したこれまでの映像作品と新作を組み合わせたインスタレーションを展開する。
さらに、ペルー生まれのマヤ・ワタナベは、 今なお究明や裁判が続いている、ペルーの内戦の記憶にまつわる問題を考察してきた。本展では、過去と現在のあいだで宙吊りとなった風景を捉えた《Sceneries》、身体に刻まれた抑圧の痕跡に光をあてる《Liminal》といった近作を、新作《Bullet》とともに展示する。
このように、本展に参加する3人の作家は、身体表現と映像表現という異なる領域を横断しつつ、社会的背景や歴史的文脈を踏まえ、社会のシステムや規範に向き合う人びとの葛藤や応答を描きだしてきた。本展ではそうした作品群を通して、現代を生きる人びとの主観性がいかに形成されるか、そして自らを取り巻くものをいかに見ているかを考察する。
企画展「MOTアニュアル2021 海、リビングルーム、頭蓋骨」
会期:2021年7月17日(土)〜10月17日(日)
会場:東京都現代美術館 企画展示室 地下2F
住所:東京都江東区三好4-1-1(木場公園内)
休館日:月曜日(7月26日(月)、8月2日(月)・9日(月・休)・30日(月)、9月20日(月・祝)は開館)、8月10日(火)、9月21日(火)
開館時間:10:00〜18:00(展示室入場は閉館30分前まで)
観覧料:一般 1,300円 ほか、小学生以下 無料
※開催内容は都合により変更となる場合あり
■参加作家
小杉大介、潘逸舟、マヤ・ワタナベ
■同時開催
・企画展「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」
・コレクション展「MOTコレクション Journals 日々、記す/特別展示:マーク・マンダース 保管と展示」
会期:いずれも2021年7月17日(土)〜10月17日(日)
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)