プレッシャーを感じながらも芸人を続けるのはなぜでしょう?
僕は、芸人が1番かっこいいし、1番偉いと思う。高校生くらいのときから憧れた芸人にちゃんとなって、ずっと芸人でいるってことは一貫して変わらない。
脚本なども担当させていただいていますが、あくまで芸人として脚本を書いているだけで、脚本家にはなっていません。ずっとバカリズムで通しています。
なので、脚本家って言われちゃうことがいやなんです。だって、自分が一番かっこいいと思っているものよりも、ちょっと何番目かのものになっちゃいますからね、せっかく芸人になれたのに、勝手に肩書き変えないでもらえますか?って(笑)。
今後、僕が脚本家だの、クリエイターだの言いだしたら、それは完全にぶれている証拠。よっぽど大人の事情がない限りはこれでいくと思います。本名にしたり、肩書きが変わっていたら「あれっ」って思ってください(笑)。
これから作りたいものはありますか?
書きたい、作りたいというのは、今はありません。というのも、今はありがたいことに、やりたいことをやらしていただいている環境で、書きたいことがなかなか出せずに溜まっているというよりは、オファーをくださったところに絞り出している感覚に近い。
なので、作品の精度をより上げていくというところを大切にしたいです。出来上がった作品を5年後に見返して、今と同じように見れていたら、それは成長していないということですから、「あ~まだ若いな」「今だったらこうするな」って思えるようになっていないといけないと思うんです。
過去のネタはよく見返しますか?
はい。コントにしても脚本にしても、「今ならここもうちょっと丁寧に書くな」「こういう構成にするな」って思いながら見返しています。特に脚本だけを担当したものは、客観的に見れるので見返すことが多いですね。これからも「いまの自分だったらこうする」っていう新しいアイデアが出るように成長していきたいです。
作品作りのモチベーションとは?
褒められたらいいなって感覚。30代くらいの頃は、モテたいとかもあったんですけど、脚本をやってもモテることは結局ないことがわかったので。結婚できたからいいや、後は褒められたい(笑)。
ただ、作品をたくさん残したいって気持ちはあります。生きているうちに少しでも多く、作れたらいいなと思っています。
それは作品作りが好きだからでしょうか?
作品作りは全然好きじゃない、大変ですもん。
一度、日本映画専門チャンネルで「24時間バカリズム専門チャンネル」という、僕の作品をひたすら1日中流すという番組を作っていただいたときに、作品をたくさん作ってよかったなって思ったんです。たくさん数を作ったからこそやってもらえたんだなって。
大物の方が亡くなったとき、その方の作品を流し続ける特集ってあるじゃないですか。それって、それだけの作品数を残してきたからできること。なので自分が死んじゃったときに、そういう番組が残ればいいなって心のどこかで思っています。
バカリズム脚本の映画『地獄の花園』が2021年5月21日(金)に全国ロードショー。主演に永野芽郁、"カリスマヤンキーOL"役に広瀬アリスを迎え、向田邦子賞・ギャラクシー賞受賞作品を映画化する。菜々緒、川栄李奈、小池栄子など、豪華キャスト陣によるOLたちの壮絶なバトルシーンは見物だ。
映画『地獄の花園』
公開時期:2021年5月21日(金)全国ロードショー
脚本:バカリズム(向田邦子賞、ギャラクシー賞受賞)
監督:関和亮
出演:永野芽郁、広瀬アリス、菜々緒、川栄李奈、大島美幸、勝村政信、松尾諭、丸山智己、遠藤憲一/小池栄子
主題歌:LiSA「Another Great Day!!」