企画展「曽我蕭白 奇想ここに極まれり」が、愛知県美術館にて、2021年10月8日(金)から11月21日(日)まで開催される。
力強い筆墨と極彩色により、超現実的な世界を描きだした曽我蕭白(そが しょうはく)は、伊藤若冲らとともに「奇想」の画家として知られている。企画展「曽我蕭白 奇想ここに極まれり」では、蕭白の画業を初期から晩年までたどるとともに、その源泉となった桃山時代や江戸時代初期の絵画との関係にも光をあてる。
曽我蕭白は、1730年に京の商家に生まれたことがわかっているが、絵を描き始めた時期や動機、師などは明らかにされていない。現在知られる画業は、29歳、伊勢に始まり、播州にも足を伸ばしている。《林和靖図屏風》 などの初期作品を取り上げる第一章では、水墨を大胆かつ精緻に操る技、樹木の描写や面貌表現に見られる奇怪さ、そして伝統的な画題の奇抜な描出といった蕭白独自の表現を紹介。また、そうした表現の源泉を、室町・桃山時代や江戸時代初期の絵画に探る。
諸国を遊歴した蕭白は、とりわけ伊勢で精力的に活動。繊細な筆致による奇怪な人物表現や、画面を飛び出すかのように力強い自然描写といった「奇想」の画風を確立し、水墨画ばかりでなく極彩色の着彩画も手がけるなど、画家として充実した制作を展開した。第二章では、《唐獅子図》や《松鷹図(旧永島家襖絵)》といった大画面作品を展示し、その技法的な多様性と造形・色彩の特質を紹介する。
1767年頃より、播州に再び滞在した蕭白は、「奇想」を連想させる画風から精緻な筆致で描く堅実なものへと変化してゆく。第三章では、奇怪な作風がその技術的円熟を契機に落ち着きを見せ、まとまり始める過程を、《松に孔雀図襖》などの作品からたどる。
晩年を京で過ごした蕭白は、それまでの醜怪な表現から離れ、落ち着いた画風の作品を手がけるようになる。第四章では、晩年に至った蕭白の奇怪な作風が影を潜めてゆく過程に焦点を合わせ、《楼閣山水図屏風》などから、画業の到達点をあらためて評価する。
企画展「曽我蕭白 奇想ここに極まれり」
会期:2021年10月8日(金)〜11月21日(日) 会期中に一部展示替えを実施
[前期 10月8日(金)〜31日(日) / 中期 11月2日(火)〜16日(火) / 後期 11月17日(水)〜21日(日)]
会場:愛知県美術館
住所:愛知県名古屋市東区東桜1-13-2 愛知芸術文化センター 10階
開館時間:10:00〜18:00(金曜日は20:00まで)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日
観覧料:
・平日限定券=一般 1,400円(1,300円)、高校・大学生 1,100円(1,000円)、中学生以下 無料
・土日祝日券=一般 1,600円(1,500円)、高校・大学生 1,300円(1,200円)、中学生以下 無料
※( )内は前売券および20名以上の団体料金
※上記料金で同時開催のコレクション展も観覧可
※身体障害者手帳・精神障害者保健福祉手帳・療育手帳のいずれかの所持者、また、その手帳に「第1種」または「1級」と記載のある場合の付添者は1名まで、各料金が半額(当日会場にて、各種手帳(ミライロID可)を提示)
【問い合わせ先】
愛知県美術館
TEL:052-971-5511 (代)