東京・六本木のタカ・イシイギャラリーでは、ロニ・ホーンの個展「bird」を、2022年2月5日(土)まで開催する。
ロニ・ホーンは、1955年に生まれ、写真、ドローイング、立体など、多岐にわたる表現媒体を用いてコンセプチュアルな作品を手がけてきたアーティストだ。その作品の特徴は“多義性”であり、たとえば水盤のように見える鋳造ガラスの立体作品がすべて固体であるのか、あるいは一部が液体であるのかが判然としないように、分類されることを周到に逃れる作品群を展開してきた。
一方でホーンの作品では、イメージ間の相互作用に加えて“言葉”も重要な役割を担っている。その一例に、アメリカの詩人エミリー・ディキンソンの手紙の言葉を引用した《エミリのブーケ》が挙げられる。また、作品とは直接関係のない言葉や引用文がタイトルとして与えられる場合もある。これにより、ホーンの作品は、より深いコンテクストを獲得する。
本展では、2点組の作品10組から構成される写真インスタレ ーション作品《bird》を展示。同作は、ホーンが長年にわたって撮影を続けてきた「Untitled (bird)」シリーズの到達点であり、アイスランドに生息する野鳥の剥製を被写体としている。鳥種を特定するための情報は極限まで抑えられているものの、精緻な写真描写によって1対の標本間の差異が強調される同作は、視覚的な隠喩を「読む」かのような経験へと誘ってくれるだろう。
ロニ・ホーン「bird」
会期:2022年1月8日(土)〜2月5日(土)
会場:タカ・イシイギャラリー(complex665)
住所:東京都港区六本木6-5-24 complex665 3F
営業時間:12:00〜18:00
定休日:日・月・祝祭日
観覧料:無料
【問い合わせ先】
タカ・イシイギャラリー
TEL:03-6434-7010