天然痘の確実な予防法が異国から伝わったと知った福井藩の町医者・笠原良策。京都の蘭方医・日野鼎哉に教えを請い、また私財を投げうち種痘の苗を福井に持ち込む。良策はかつてない予防法成功の為、様々な困難にも諦めず、妻・千穂の支えの中で流行病と闘い続ける。自らの利益を顧みずに、天然痘に侵された日本を本気で救おうと立ち上がった“実在の知られざる町医者・笠原良策”が、いま問いかける“生きる希望”とは。
『雪の花 ーともに在りてー』は、1988年に出版された吉村昭による小説『雪の花』を実写映画化した作品。江戸時代末期を舞台に、数年ごとに大流行して多くの人命を奪う天然痘と闘った1人の町医者の実話を描く物語だ。無私の精神で天然痘に震える人々を救おうと立ち上がった男の、愛と感動の実話となっている。
監督は、これまでも数多くの歴史の影に隠れた心魅かれる人物たちを描いてきた小泉堯史が務める。