ハワイ・モロカイ島在住のアーティスト・山崎美弥子の限定イベント「KIND OF BLUE」が、山梨・清春芸術村にて、2023年3月10日(金)から12日(日)まで開催される。
人口わずか7000人、ハワイの小さな離島・モロカイ島で暮らす人気アーティストの山崎美弥子。自然と大地に根差した生活を営みながら、アート制作を続けており、その美しい色彩を放つ作品の数々に、多くのファンが魅了されている。とりわけ人気を集めているのが、キャンバスを窓のように見立てて描かれる“海と空の絵”シリーズ。シンプルながらも、心惹かれるグラデーションカラーが特徴で、世界中に多くのコレクターも存在するほどだ。
近年ではケイタ マルヤマ(KEITA MARUYAMA)やビープル(Biople)、ママバター(MAMA BUTTER)とのコラボレーションでも話題を集めた。
そんな山崎による貴重な来日イベントが、2022年に続き開催へ。今回は山梨・清春芸術村を舞台に、新作の絵画展示・販売が行われるほか、3月11日(土)限定で人気メイクアップアーティスト・早坂香須子をゲストに迎えたコラボレーショントークショーや、山崎美弥子の長女・次女によるフラパフォーマンスなどが実施される。
ちなみに新作絵画は、本イベントのタイトル「KIND OF BLUE」の通り、"アオ”がキーカラーに。山崎の作品の中では珍しい色彩となるこの"アオ”には、ハワイ語で"光”を意味する特別な想いも込められている。
錨をおろした真夜中の船上で、海と空とを見事に征服するアオは、すべやかなベルベットのようだった。その一部始終を、わたしは夜が来るたび目撃した。コックピットのブランケットの頭上では、真っ白いマストは月来香のように、さもなければ、溶けたロウのように浮き上がり、ゆったりと波のリズムで揺れていた。そのすべてが気高い祈りのようであり、あまりにもドラマティックだったから、どうしてもわたしは、アオをわたしのカンバスの上へとは、連れ去ることは出来なかった。闇と見紛う果てしないアオが、いつも眩しかった。
常夏の島にも、たしかに訪れるセンシティヴな四季が、十九回目に巡った時、わたしは水平線の向こう側の、冬に桜咲く地を訪れた。そこで出会った聖なるものは、秘密裏にわたしと同じフライトに乗り、戻った島の日常に、知らぬ間に音も立てずに潜んでいた。乾き切った島の丘に待望の雨が降り続き、待ちくたびれた野の花たちは、一斉に歌い出すように咲きほころぶと、丘の斜面に太陽色を敷き詰めた。濡れた土の匂いと一緒に。ひとしきりの午後雨が終わりとなり、しっとりと安心感に満たされた霧夜の始まりの出来事だった。聖なるものは、突如わたしのカンバスに、それは真新しいアオを誕生させた。森閑としたひととき。十ものまっさらなカンバスが、途端に、あれほどまでに胸を掴まれ、わたしが拐うことを戸惑った、あのアオに染められた。
※アオ=ハワイ語で「光」の意。
清春芸術村 × 山崎美弥子 アートプロジェクト「KIND OF BLUE」
会期:2023年3月10日(金)~3月12日(日) 10:00~17:00(入館は16:30まで)
場所:山梨県北杜市長坂町中丸2072 清春芸術村
休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日休み)
入館料:一般1,500円、大・高校生1,000円、小・中学生無料、障がい者手帳持参者 1000円/付き添い 500円、犬(小型犬のみ) 500円
■限定イベント ※ドレスコード:ブルーのアイテムを身に纏って参加
開催日:3月11日(土)
13:30-13:45 フラパフォーマンス(山崎美弥子の長女&次女による)/白樺美術館 ※無料
14:00-15:00 早坂香須子x山崎美弥子 トークショー /ルオー礼拝堂 ※先着30名予定。無料。
15:30-16:30 レイメイキングワークショップ(山崎美弥子の長女&次女による) /ラ・パレット ※先着30名予定。ひとり5,000円。応募フォームなど、詳細は後ほど発表される予定。
<販売会>
絵画展示&限定数販売/ラ・パレット
※シリーズKIND OF BLUEより15センチ×15センチ 約10点販売