特別展「とびたつとき:池田満寿夫とデモクラートの作家」が、広島市現代美術館にて、2024年1月20日(土)から3月17日(日)まで開催される。和歌山県立近代美術館などでも開催された巡回展だ。
池田満寿夫(いけだ ますお)は、版画家にとどまらず、画家、彫刻家、陶芸家、作家、映画監督などとして、幅広く活躍したアーティストだ。特別展「とびたつとき:池田満寿夫とデモクラートの作家」では、池田が国際的な評価を獲得するようになってゆく時期の作品を、同時代の作家の作品とともに紹介する。
1934年に生まれた池田は、美術家の靉嘔(あいおう)を通じて、主に東京と大阪で活動していた美術団体「デモクラート美術家協会」を率いた瑛九(えいきゅう)などに出会っている。デモクラート美術家協会は、「既成画壇に出品しないこと」を唯一の参加条件としており、制作に自由を求める作家が数多く参加していた。池田もそのひとりであり、瑛九の勧めで銅版画を手がけるようになったのだった。
この頃、国力を回復しつつあった日本では、1957年、初の国際現代美術展として「第1回東京国際版画ビエンナーレ展」を開催。同展は、池田をはじめとするデモクラートの作家が出品・入賞して大きく羽ばたく契機となる一方、同年に瑛九はデモクラートを解散している。しかし、版画の可能性を認識した若い作家たちは積極的な活動を行い、なかでも池田は1966年にヴェネチア・ビエンナーレで版画部門の国際大賞を受賞するなど、国際的に評価されてゆくこととなった。
本展では、1950年代から66年頃にかけて池田が手がけた作品に加えて、靉嘔や瑛九、泉茂など、池田が影響を受け、交友のあった同時代の作家による作品を紹介。池田の《姉妹たち》や《愛の瞬間》をはじめ、版画と油彩画全267点を、会期中に展示替えを行いつつ公開する。
特別展「とびたつとき:池田満寿夫とデモクラートの作家」
会期:2024年1月20日(土)〜3月17日(日) 前・後期で展示替えあり
[前期 1月20日(土)〜2月18日(日) / 後期 2月21日(水)〜3月17日(日)]
会場:広島市現代美術館 展示室B-2・B-3
住所:広島県広島市南区比治山公園1-1
開館時間:10:00〜17:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(2月12日(月・振)は開館)、2月13日(火)
※2月20日(火)は休室
観覧料:一般 1,100円(850円)、大学生 800円(600円)、高校生・65歳以上 550円(400円)、中学生以下 無料
※( )内は、前売および30名以上の団体料金
※前売券は、1月19日(金)まで、美術館受付、チケットぴあ(Pコード 686-764)、広島市現代美術館オンラインショップ「339」にて販売
■出品作家
池田満寿夫、靉嘔、泉茂、磯辺行久、瑛九、加藤正、利根山光人、舩井裕、吉原英雄
【問い合わせ先】
広島市現代美術館
TEL:082-264-1121(代表)