企画展「とびたつとき─池田満寿夫とデモクラートの作家」が、長野県立美術館にて、2023年9月9日(土)から11月5日(日)まで開催される。和歌山県立近代美術館などでも開催された巡回展だ。
油彩や版画、陶芸、文学、映画など、マルチタレント・アーティストとして活動した池田満寿夫(いけだ ますお)。企画展「とびたつとき─池田満寿夫とデモクラートの作家」では、1950年代から66年頃までの池田の作品とともに、池田も参加した「デモクラート美術家協会」の作家の作品を紹介する展覧会だ。
池田は、1934年旧満州国の奉天で生まれ、終戦の年に父母とともに長野に引き揚げた。そして、画家を目指して上京し、東京藝術大学を3回受験するも、いずれも失敗している。この頃、1955年に靉嘔(あいおう)と出会い、彼を通じて、デモクラート美術家協会を創設した瑛九(えいきゅう)などと知り合うことになる。デモクラートの作家は、多くの人びとに見てもらえる版画の制作に注力しており、池田もまた瑛九の勧めを受けてその活動に携わったのだった。
戦後、日本初の国際美術展として1957年に開催された「第1回東京国際版画ビエンナーレ展」では、池田をはじめ多くのデモクラートの作家が出品、入選する一方、同年、瑛九はデモクラートの解散を決めている。こうしたなか、若い作家は旺盛な活動を続け、なかでも池田は1966年、ヴェネチア・ビエンナーレで版画部門国際大賞を受賞するなど、国際的に評価されるようになった。
本展では、池田が初期に手がけた油彩画から、世界へと進出した1960年代の版画まで、池田作品を当時の資料とともに展示。また、靉嘔や瑛九に加えて、泉茂、吉原英雄など、長野県内では紹介される機会の少なかった関西デモクラートの作家にも光をあてる。
企画展「とびたつとき─池田満寿夫とデモクラートの作家」
会期:2023年9月9日(土)~11月5日(日)
会場:長野県立美術館 展示室1・2・3
住所:長野県長野市箱清水1-4-4(善光寺東隣)
開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
休館日:水曜日(祝日の場合は翌日)
観覧料:一般 800円(700円)、大学生・75歳以上 600円(500円)、高校生以下・18歳未満 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※東山魁夷館・長野県立美術館コレクション展との共通料金:一般 1,300円、大学生・75歳以上 900円
■出品作家
池田満寿夫、靉嘔、泉茂、磯辺行久、瑛九、加藤正、利根山光人、舩井裕、吉原英雄
※長野県立美術館所蔵の池田満寿夫作品は、巡回展のうち本会場のみの出品となる。
【問い合わせ先】
TEL:050-5542-8600(ハローダイヤル)