富山県美術館では、企画展「富山県美術館開館5周年記念 生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」を、2023年3月18日(土)から5月21日(日)まで開催する。その後、青森県立美術館、東京国立近代美術館に巡回する。
棟方志功(むなかた しこう)は、第二次世界大戦後に国際的な評価を獲得した版画家だ。1903年青森に生まれた棟方は、1924年に上京、1945年4月には福光町(現・富山県南砺市)に疎開し、6年8か月の年月をこの地で過ごしている。青森、東京、そして富山というこれら3つの地域は、芸術家としての棟方の形成に大きな影響を及ぼすことになった。なかでも富山で過ごした期間は、版画や肉筆画「倭画」の重要作を手がけた時期にあたり、創作活動の転機となっている。
富山、青森、そして東京を巡回する展覧会「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」では、棟方と各地域の関わりに光をあてつつ、多岐にわたるその活動を紹介。《二菩薩釈迦十大弟子》をはじめ、棟方の代表作を一堂に集めて展示する。
棟方は1942年以降、自身の版画を「板画」と記すようになった。そこには、自ら手がけた作品が一般的な版画とは別物であるという意識が反映されていたようだ。本展では、《東北経鬼門譜》や《門舞男女神人頌》、《大世界の柵》など、大きなスケールで制作された板画の大作を、広々とした空間で展示する。
棟方は、板画や倭画、油彩画ばかりでなく、本の装幀や挿絵、包装紙などのデザインの仕事も数多く手がけている。会場では、棟方の多岐にわたる活動にも着目し、貴重な装幀本などを紹介する。
さらに本展では、棟方が疎開した福光ゆかりの名品を紹介。倭画の傑作《華厳松(稲妻牡丹芍薬図)》をはじめ、福光駅から光徳寺までの道のりを描いた《法林経水焔巻》、棟方が福光駅のために揮毫した書作品《無事》などを目にすることができる。
企画展「富山県美術館開館5周年記念 生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」
会期:2023年3月18日(土)〜5月21日(日)
会場:富山県美術館 2階 展示室2・3・4
住所:富山県富山市木場町3‐20
開館時間:9:30〜18:00(入館は17:30まで)
休館日:水曜日(5月3日(水・祝)は開館)
観覧料:前売り一般 1,200円、一般 1,500円(1,200円)、大学生 1,000円(800円)、高校生以下 無料
※( )内は20名以上の団体料金
※一般前売券は、3月17日(金)まで富山県美術館ほかにて販売
■巡回情報
・青森県立美術館
会期:2023年7月29日(土)〜9月24日(日)
住所:青森県青森市安田字近野185
・東京国立近代美術館
会期:2023年10月6日(金)〜12月3日(日)
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
【問い合わせ先】
富山県美術館
TEL:076-431-2711