映画『システム・クラッシャー』が、2024年4月27日(土)より、シアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。
映画『システム・クラッシャー』は、社会のどこにも居場所のなくなってしまった9歳の少女を繊細かつ強烈な描写で描き出した物語。ただ母親のもとに帰りたいだけの少女が、もがき突き進む姿を映し出している。
監督・脚本を務めるのは、ノラ・フィングシャイト。彼女は、ドキュメンタリー映画の撮影中、その乱暴性から行く先々で問題を起こし、施設を転々とする制御不能な攻撃的な子ども“システム・クラッシャー”の存在を知ったことから、『システム・クラッシャー』の映画化に至った。5年間かけて教育支援学校、児童精神科病棟などの関係者に緻密な取材を重ね、現場を体験しつつ脚本を執筆した。
主人公・ベニーを演じたのは、撮影当時10歳だったへレナ・ツェンゲル。出演シーンの大半が全身全霊の慟哭で、周囲を絶望に追い込むという強烈な役どころだ。愛情不足な一面を悲しげに表現したり、かと思えば悪態をつく制御の効かない女の子に変貌したりと、様々な感情の幅を演じきり、2020年ドイツ映画賞では主演女優賞を歴代最年少で受賞した。
主人公ベニー…ヘレナ・ツェンゲル
幼少期に父親から受けたトラウマを背負う9歳の少女。かなしげな青い目で愛情を切望するかと思えば、叫び、悪態をつき、制御が効かなくなる。「ただ、ママのもとに帰りたい」という願いを持っているが、施設へと入れられてしまう。
ミヒャ…アルブレヒト・シュッフ
非暴力トレーナー。自分とベニーの二人きりで、森深くの山小屋で3週間の隔離療法を受けさせることを提案する。
映画『システム・クラッシャー』は、第69回べルリン国際映画祭のワールドプレミア上映にて10分間のスタンディングオベーションを受け、銀熊賞とベルリナー・モルゲンポスト紙読者審査員賞の2冠を受賞。加えて、第92回アカデミー国際長編映画賞ドイツ代表作品に選ばれるなど、世界各国で37冠・26ノミネートに輝いた。
9歳の少女ベニーは、幼少期のトラウマから手の付けようのない暴れん坊と化し、里親、グループホーム、特別支援学校、どこに行こうと問題を起こして追い出されてしまう。「ただ、ママのもとに帰りたい」と願うベニーだが、母はベニーに対して愛情は持ちながらもどのように接していいのか皆目見当がつかず、施設へと押し付け続ける。そんな中、非暴力トレーナーのミヒャは、自分とベニーの2人きりで、隔離療法を受けさせることを提案。はじめは文句を言い続けていたベニーだったが、徐々にミヒャへ心を開き始め、ある変化が…。
【作品詳細】
映画『システム・クラッシャー』
公開日:2024年4月27日(土)
監督・脚本:ノラ・フィングシャイト
撮影:ユヌス・ロイ・イメール
音楽:ジョン・ギュルトラー
出演:ヘレナ・ツェンゲル、アルブレヒト・シュッフ、リザ・ハーグマイスター、ガブリエラ=マリア・シュマイデ
日本語字幕:上條葉月
配給:クレプスキュール フィルム
原題:Systemsprenger
英題:System Crasher