展覧会「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」が、東京の八王子市夢美術館にて、2024年4月5日(金)から6月2日(日)まで開催される。SOMPO美術館などでも開催された巡回展だ。
川瀬巴水(かわせ はすい)は、大正時代から昭和時代にかけて活躍した、「新版画」の木版画家だ。新版画とは、この時代に興った多色摺木版画であり、絵師、彫師、摺師の協業による浮世絵の伝統的な技術を継承しながらも、近代的な表現を取り入れ、より芸術性の高い作品を目指すものであった。巴水は、風景木版画を手がけ、新版画を牽引する存在として活躍したのであった。
近代化が進み、街や風景が急激に変化しつつあった当時、巴水は日本各地を旅し、庶民の生活が息づく風景を描いた。季節や天候、時の移ろいを豊かに表現した巴水は、「旅情詩人」とも呼ばれることになる。また、伝統的な浮世絵では避けられていた、円弧を描くようなバレンの摺り跡をつける手法「ザラ摺」を取り入れるなど、木版画ならではの表現に挑戦している。
展覧会「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」では、初期から晩年にいたる巴水の作品約150点を紹介。代表作として知られる《芝増上寺》や《馬込の月》を含む「東京二十景」をはじめ、「旅みやげ第一集」や「東京十二題」、「朝鮮八景」といった連作を一挙に公開するほか、「塩原三部作」と呼ばれる最初期の作品、絶筆となった《平泉金色堂》なども展示する。
展覧会「川瀬巴水 旅と郷愁の風景」
会期:2024年4月5日(金)〜6月2日(日)
会場:八王子市夢美術館
住所:東京都八王子市八日町8-1 ビュータワー八王子 2F
開館時間:10:00~19:00(入館は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(祝日は開館し、火曜日に休館)
観覧料:一般 900円、学生・65歳以上 450円、中学生以下 無料
【問い合わせ先】
八王子市夢美術館
TEL:042-621-6777