神奈川県立近代美術館 鎌倉別館では、コレクション展「木茂(もくも)先生の挿絵考 併陳:近代の洋画」を、2025年4月26日(土)から7月21日(月・祝)まで開催する。
コレクション展「木茂先生の挿絵考」は、明治美術の研究者であり愛書家でもあった、木茂(もくも)先生こと青木茂(あおき しげる)の旧蔵書を紹介する展覧会だ。神奈川県立近代美術館に収蔵された約1万冊の古書や資料のなかから、挿絵にまつわる書籍や雑誌、新聞や雑誌挿絵の切り抜き、挿絵原画などを公開する。
文字情報を補うために生まれた挿絵は、図譜や地理書ばかりでなく、教科書、新聞、雑誌、書籍でも使用されるようになった。幕末から昭和時代初期にかけて印刷技術が変化するなか、挿絵もまた木版から銅版、石版、そして金属版へと移行していった。江戸時代には絵師が手がけていた挿絵は、明治時代に入ると画家が制作するようになり、洋画家が新聞雑誌に数多くの挿絵を描いたのであった。
本展では、新聞挿絵、口絵や漫画など、さまざまな挿絵を紹介。日本で最初に出版された「アラビアンナイト(千夜一夜物語)」である『開巻驚奇 暴夜物語』や、創作版画の第1号とされる山本鼎の《漁夫》、森田恒友の《八月》、浅井忠の《尼(巴里風俗)》といった作品を展示する。
また、同時開催の「併陳:近代の洋画」では、「木茂先生の挿絵考」展と時代を合わせ、近代洋画の名品を公開。豊かな色彩で描いた黒田清輝の《逗子五景》や、素朴な愛らしさを捉えた岸田劉生の《村娘》、高橋由一旧蔵の《負翼童子図》などを目にすることができる。
コレクション展「木茂(もくも)先生の挿絵考 併陳:近代の洋画」
会期:2025年4月26日(土)〜7月21日(月・祝)
会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-8-1
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(5月5日(月・祝)、7月21日(月・祝)は開館)
観覧料:一般 250円(150円)、20歳未満・学生 150円(100円)、高校生 100円、65歳以上 100円
※( )内は20名以上の団体料金
※中学生以下、障害者手帳・ミライロIDなどの提示者および介助者原則1名は無料
※5月18日(日)「国際博物館の日」は無料開館日
※ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第1日曜日:5月4日、6月1日、7月6日)は、18歳未満の子ども連れの家族は割引料金(65歳以上除く)で観覧可
【問い合わせ先】
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
TEL:0467-22-5000