展覧会「日本が見たドニ｜ドニの見た日本」が、福岡の久留米市美術館にて、2024年11月2日(土)から2025年1月13日(月・祝)まで開催される。新潟県立近代美術館でも開催される巡回展だ。

ドニと日本美術の繋がり

19世紀末フランスの前衛美術グループ「ナビ派」において、中心的な存在として活躍した画家、モーリス・ドニ。ドニをはじめとするナビ派の作家は、当時のジャポニスムを背景に、若い頃から日本美術に憧れる一方、ナビ派の影響は、日本にも及ぶことになった。

ドニの生涯は、日本の明治時代から第二次世界大戦期、すなわち近代に重なっている。展覧会「日本が見たドニ｜ドニの見た日本」は、ドニの足跡を、各時期における日本の美術との関わりに着目しつつたどるもの。初出品となる《アルミードの園》をはじめ、約130点の作品を紹介する。

ナビ派の誕生・展開と日本の美術

ジャポニスムが流行する19世紀末、モーリス・ドニやピエール・ボナールなどが結成したナビ派は、平坦な色面や大胆な構図、装飾的な画面によって、20世紀美術への橋渡し役を担ったといえる。第1章では、ドニの《夕映えの中のマルト》や《なでしこを持つ若い女》といった作品とともに、ナビ派の誕生と展開を紹介するほか、同時代のパリでドニのデビューを目の当たりにした、洋画家・黒田清輝との繋がりにも光をあてる。

ナビ派に学んだ留学生

20世紀に入ると、ドニたちはナビ派の学校「アカデミー・ランソン」を開設。そこには、日本人を含めて多くの留学生が在籍し、梅原龍三郎のように直接ドニの指導を受ける者もいた。第2章では、《聖母月》や《アルミードの園》など、この時期におけるドニ作品を展示するとともに、太田喜二郎や板倉鼎など、大正時代における日本の美術を紹介する。

日本に渡ったドニ作品

熱心なカトリック教徒であったドニは、1919年、宗教美術の学校「アトリエ・ダール・サクレ」を設立。宗教画の復興を目指すとともに、壁画装飾といった公共の仕事にも携わった。この頃、絵画を収集する日本人コレクターが現れ、日本にドニ作品がもたらされることになる。第3章では、酒神バッカスを称える宴を描いた名画《バッカス祭》など、日本各地に所在するドニ作品を目にすることができる。

展覧会概要

展覧会「日本が見たドニ｜ドニの見た日本」
会期：2024年11月2日(土)〜2025年1月13日(月・祝) 会期中に展示替えあり
［前期 11月2日(土)〜12月8日(日) / 後期 12月10日(火)〜1月13日(月・祝)］
会場：久留米市美術館 2F
住所：福岡県久留米市野中町1015
開館時間：10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日：月曜日(11月4日(月・振)、1月13日(月・祝)は開館)、12月29日(日)〜1月2日(木)
観覧料：一般 1,200円(1,000円)、65歳以上 900円(700円)、大学生 600円(400円)、高校生以下 無料、前売 900円
※( )内は15名以上の団体料金
※前売券は、チケットぴあ(Pコード 686-812)、ローソン各店(Lコード 86708)にて、会期1か月前より販売
※障害者手帳などの持参者および介護者1名は無料
※上記料金にて石橋正二郎記念館も観覧可

【問い合わせ先】
久留米市美術館
TEL：0942-39-1131