今後目指したい姿はあるのでしょうか?
松山:“超省エネの力で、最大限の何かを置いていく”人になりたいです。柄本明さんや橋爪功さんと話をしていると、楽に現場にいる感じがするんですよ。柄本さん、「早く帰りたい」しか言わないですからね。(笑) でも、すごいものを残して帰っていくじゃないですか。そんな風になれたらいいなと思います。
『プロメア』のインタビューでも「“できるだけ適当でいる”ことを大切にしている」とおっしゃっていましたね。そう思うようになったきっかけはあるのでしょうか?
松山:演技をしていると、全身全霊で取り組んで、身も心もボロボロになることはやっぱりあるんですよね。そこからなかなか戻ってこられない状況も僕は経験してきて。けれどもこのやり方はおそらく作品にも共演者にも、もちろん家族にもみんなに迷惑をかける。だから、自分自身を痛めつけるやり方はもうやめようと思って。そこで違うやり方として、先ほど話した“客観的になる”ということもそうですが、自分を生かす演技の取り組み方をしたいなと思うようになりました。
今は、自分の20%の力を100%表現できるようにしよう、そんな風に考えながら演じています。ちょっとよくわからないですよね…(苦笑) でも、以前より自分に優しくなった気がしますし、心身の健康というのをすごく大事にしているんです。
これから秋冬シーズンに入りますが、最近購入したものや気になっているアイテムはありますか?
染谷:新しいジーパンが欲しくて探しています。ただ、自分はわりかしお店に行くだけでお腹いっぱいになっちゃうタイプで…。先日もリーバイス(Levi's)に行ったのですが、品揃えがすごくて、見ているだけで満足して何も買わずに帰ってきてしまいました。(笑)
基本的に持っている定番のアイテムを着回しすることが多いですね。俳優って衣装も含めて色んなタイプの服を着させて頂く機会が多くて、そこで満たされてしまう部分がありまして…。
松山:それすごく分かる。僕も、昔に買ったアイテムをずっと着ていたりと、服に強いこだわりがある訳では無いんです。どちらかというと、プロダクトとしてすごく機能的だったり、考え抜かれた材質を使ってる洋服を見て感動したりします。そういう方向に興味があるんですよね。
ファッションアイテムではないのですが、最近、伝統工芸にはまっているので、青森の「こぎん刺し」の製品を買いました。こぎん刺しは、文様自体にそれぞれ意味があって、それを自由に組み合わせてデザインするそうです。作った人のテーマみたいなものが刺繍で残るというのは、1つのアートピースとしてすごく面白いなと思いました。
ファッションや映画とかもそうだと思うのですが、精神的に安心させてくれたり、自分の背中を押してくれたり、どこか活力剤のようなところがあるじゃないですか。僕はそれを、こぎん刺しにも感じています。今はその手のことを探求することが面白いです。
※こぎん刺し:青森・津軽地方の伝統工芸。日常生活、自然、願いごとなど、文様には名前がついており、それぞれに意味が込められており、それを自由に組み合わせて作る。刺繍が自由なデザインで刺すのに対し、こぎん刺しは布の織り目に沿って規則的に刺すため、幾何学的なデザインになる。
映画『聖☆おにいさん THE MOVIE~ホーリーメン VS 悪魔軍団~』
公開日:2024年12月20日(金)
監督・脚本:福田雄一
出演:松山ケンイチ、染谷将太、賀来賢人、岩田剛典、白石麻衣、勝地涼、仲野太賀、神木隆之介、山本美月、桜井日奈子、川口春奈、中田青渚、吉柳咲良、田中美久、森日菜美、安斉星来、山田孝之、ムロツヨシ、佐藤二朗、窪田正孝、藤原竜也
〈声優キャスト〉中尾隆聖、緒方恵美、置鮎龍太郎
原作:中村光「聖おにいさん」(講談社「モーニング・ツー」連載)
©中村光/講談社 ©2024 映画「聖☆おにいさん」製作委員会