企画展「古筆切—わかちあう名筆の美—」が、東京・南青山の根津美術館にて、2024年12月21日(土)から2025年2月9日(日)まで開催される。
「古筆(こひつ)」とは、もともと古の人の筆跡を意味するものの、狭義には、平安時代から鎌倉時代にかけての優れた筆跡を指す。平安時代の貴族は、書に秀でた人に、和歌集の書写を依頼した。こうした古筆は、室町時代以降、茶の湯や鑑賞のために1紙や1ページ、あるいは数行単位で切断されることになった。これらの断簡は、「古筆切(こひつぎれ)」と呼ばれている。
企画展「古筆切—わかちあう名筆の美—」は、収蔵後初公開となる重要文化財《高野切》をはじめ、平安時代から鎌倉時代にかけての古筆切を中心に紹介する展覧会。当時を代表する書き手による、名筆の数々を目にすることができる。
紀貫之筆と伝えられる重要文化財《高野切》は、『古今和歌集』の現存する最古の書写本だ。新たに根津美術館の所蔵品に加わったのは、巻第十九の旋頭歌4首が書かれた1幅。前面に雲母砂子で装飾を施した料紙に書かれた、軽快で伸びやかな筆線が特徴となっている。
本展では、そのほか、金銀の砂子を散らし、銀泥で下絵を施した料紙に、藤原定信によるスピード感のある書がしたためられた《石山切》など、館蔵の古筆切を中心に45件を展示。また、同時開催の「一行の書」では、「天地」の2文字をひと筆で書いた、良寛の小字数の代表作《天地二大字》を紹介する。線のニュアンスや字配りのバランスなど、それぞれに個性的な魅力を放つ書の世界を楽しめるだろう。
企画展「古筆切—わかちあう名筆の美—」
会期:2024年12月21日(土)〜2025年2月9日(日)
会場:根津美術館 展示室1
住所:東京都港区南青山6‐5‐1
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(1月13日(月・祝)は開館)、12月27日(金)〜1月6日(月)、1月14日(火)
入館料:一般 1,300円(1,100円)、学生 1,000円(800円)、中学生以下 無料
※オンライン日時指定予約制(12月17日(火)より美術館ホームページにて受付。招待はがきなどで入館料無料の場合も要予約)
※( )内は障害者手帳の提示者および同伴者1名の料金
※当日券(一般 1,400円、学生 1,100円)も販売(予約優先。当日券での入館者は待つ場合あり。混雑状況によっては当日券を販売しない場合あり)
※予約は1グループ10名まで
【問い合わせ先】
根津美術館
TEL:03-3400-2536(代表)