特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」が、2025年3月15日(土)から6月15日(日)まで、東京・上野公園の国立科学博物館にて開催される。
特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」は、日本各地で発掘された古人骨や考古資料、そして人類の足跡をたどる“古代DNA研究”を中心とする最新データをもとに、日本人のルーツを探る展覧会。大きく6つの章立てに分けた構成で、日本人の始まりから国家形成、さらには南の琉球列島や北の大地まで、各時代や地域の日本人が歩んだ道をたどっていく。
たとえば第1章では、“最初の日本人”に関する研究成果を発表。アフリカで誕生したホモ・サピエンスは6万年ほど前に世界展開を始め、およそ4万年前に日本列島に到達したと言われるが、この“最初の日本人”の実態はこれまで多くの謎に包まれていた。
しかし、近年は沖縄県石垣島の遺跡から同時代の人骨が続々と発見されたことで、その一端が明らかになりつつある。会場では、「4号人骨」と呼ばれる全身骨格の揃った2万7千年前の人骨や、「4号人骨」をもとに作成された復顔像などを目にすることが可能だ。
第2章では、山地や海岸部の遺跡から出土した人骨のDNA解析をもとに、縄文人の社会や精神文化を紹介。海産物を採るためにヤスやモリなどの道具を発達させていった、縄文人の暮らしぶりなどが解説される。また、祈りの道具として用いられていた土偶や、クマなどの動植物をかたどった小型の土製品も展示予定だ。
続いて第3章は、1,000年あまりで縄文人のDNAと入れ替わった弥生時代にフォーカス。遺伝的特徴が現代日本人に近いことが明らかとなった弥生人の復顔像のほか、水田稲作の始まりを示す木製農具、土偶が弥生風に変容した人形土製品などを見ることができる。
第4章は、ヤマト政権が誕生し、国家形成期を迎えた古墳時代に迫る。弥生時代より継続的に日本へやってきた渡来人は、須恵器生産・鉄器生産・馬の飼育といった新たな技術を伝え、日本列島の国づくりを支えていた。本展には、大阪・誉田御廟山古墳の東側に位置する茶山2号墳から出土した馬形埴輪も登場。ヤマト政権内でも馬が使用されていたことを示す貴重な品で、大阪以外では初の展示となる。
さらに、人間だけでなくイヌやイエネコの歴史も、最新のDNA研究をもとに紹介。縄文時代、弥生時代のイヌの骨や、古墳から出土したイエネコらしき足跡が残った須恵器などが展示される。
特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」
会期:2025年3月15日(土)~6月15日(日)
会場:国立科学博物館
住所:東京都台東区上野公園7-20
開館時間:9:00~17:00(入場は16:30まで)
※ただし毎週土曜日、4月27日(日)~5月6日(火・休)は19:00まで延長(入場は18:30まで)。
※常設展示は4月26日(土)~5月6日(火・休)は18:00閉館(入場は17:30まで)。それ以外の期間、常設展示は17:00閉館(入場は16:30まで)。
休館日:月曜日、5月7日(水)
※ただし3月31日(月)、4月28日(月)、5月5日(月・祝)、6月9日(月)は開館。
入場料:[一般・大学生] 当日券 2,100円、前売券 2,000円/[小・中・高校生] 当日券 600円、前売券 500円
※前売券は1月20日(月)~3月14日(金)までの販売。
※チケットは、公式オンラインチケット(ART PASS)、各種プレイガイドなどで販売。詳細は展覧会公式サイトを確認。
※未就学児は無料。
※障害者手帳所持者その介護者1名は無料。
※学生証、各種証明書の所持者は入場の際に提示。
※会期等は変更になる場合あり。
【問い合わせ先】
TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)