展覧会「中村彝生誕130年記念 芸術家たちの絆展」が、2017年3月18日(土)から6月4日(日)まで、東京・新宿の中村屋サロン美術館にて開催される。
中村彝(つね)は、中村屋サロンの中心人物となった大正期の洋画家だ。中村屋サロンは、新宿中村屋を創業した相馬愛蔵・黒光夫妻が、多くの芸術家や文化人を支援したことによって形成された、芸術家たちの交流の場である。本展覧会では、この中村屋サロンにて中村彝が制作した絵画14点と、彼と交流した同時代人たちによる油彩や彫刻などの作品36点、作家同士の書簡などを紹介し、中村彝を中心とする当時の芸術家たちの絆が紹介される。
中村彝は、1887年茨城県水戸生まれ。軍人を志すものの胸部疾患にかかり、療養しながら素描や水彩画を描くようになる。1906年、洋画団体の白馬会研究所に入り、多くの芸術家と出会った。
その後、新宿中村屋裏のアトリエに移り、創業者の相馬一家と家族的な付き合いをし、サロンの中心的な役割を果たすようになる。中村彝を献身的に看病した相馬夫妻の長女・俊子との結婚を望んだが実らず、中村屋を去る。下落合のアトリエに移って制作活動を続け優れた作品を生み出したが、結核のため37歳で死去した。
展示されるのは、中村彝が描いた自画像や、相馬夫妻の長女・俊子の肖像画、静物画などだ。彼の作品は、印象派を連想させる光の表現を特徴としながら、力強い画風を持っている。
また、白馬会で出会い生涯の友となった、彫刻家の中原悌二郎の作品や、同じく親友の鶴田吾郎の絵画、中村に師事した宮芳平や鈴木金平といった芸術家8名の作品も共に展示される。なお、本展は中村彝の生誕130周年を記念している。
【詳細】
「中村彝生誕130年記念 芸術家たちの絆」展
期間:2017年3月18日(土)~6月4日(日)
開館時間:10:30~19:00(最終入館は18:40)
休館日:火曜日
会場:中村屋サロン美術館
住所:東京都新宿区新宿3-26-13 新宿中村屋ビル3階
TEL:03-5362-7508
観覧料:大人 300円 ※高校生以下、障がい者とそのつきそいの方は無料。
■関連ベント
ギャラリートーク:
第1回 4月22日(土)14:00~
第2回 5月20日(土)14:00~