映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の最新作となる『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』が、2018年11月23日(金・祝)に全国で公開される。
映画『ハリー・ポッター』の新シリーズとして制作・公開され、世界中で約900億円の興行収入という大ヒットを記録した映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』。その続編となる『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』では、カリスマ的な力を持つ闇の魔法使いゲラート・グリンデルバルドによって魔法界に闇が広がっていた時代に、エディ・レッドメイン演じる主人公ニュート・スキャマンダーとその仲間たちが自分たちの信念でグリンデルバルドに立ち向かっていく物語が描かれる。
来日した『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』のキャスト勢にインタビューを実施。主人公ニュートを演じたエディ・レッドメインをはじめ、ダンブルドア役のジュード・ロウ、物語のヒロインでティナ役のキャサリン・ウォーターストン、ティナの妹クイニーを演じたアリソン・スドル、クイニーとのロマンスが期待されるジェイコブ役のダン・フォグラーに話を聞いた。
人気キャストが考える“ファンタビ”の魅力、そしてそんな作品のキャラクターに抜擢された想いなど話を伺った。
『ハリー・ポッター』シリーズからの根強いファンの方が沢山いらっしゃいますね。ここまで世界中の人々を虜にする作品の魅力とは一体何でしょう?
エディ:『ハリー・ポッター』と『ファンタスティック・ビースト』どちらのシリーズにも共通していると思うのは、“アウトサイダー(はみ出し者)”について非常にうまく描かれているということ。
主人公は“クールでカッコ良くて、グループの人気者”なわけではないのに、ここまで多くの人々の心の中に繋がるというのは、誰しも心の中で、“自分はどこにも属していないかもしれない”という疎外感を抱えているからなのではないでしょうか。
悪役と対称的ですね。
エディ:人々の不安を煽り立てて、“居場所”があるように見える「組織」に組み込もうとしているのが、物語の黒幕である悪役たち。今回でいうと、ジョニー・デップが演じたグリンデルバルド役ですね。特に『ファンタスティック・ビースト』シリーズは、人々の心の中で起きている葛藤を、非常にうまく落とし込んだストーリーだと思います。
ジュード:言いたいことを全部エディに言われてしまった!(笑)けれど、本当に彼の言う通りだと思います。付け加えるとするならば、“インサイダー”か“アウトサイダー”の二極面の中で、どちらかを選ばなければいけないという、人々の苦渋の“決断”の描かれ方も、現代の人々の心の葛藤とマッチするのかもしれない。今の世の中は、どのように生きて、何を選択するのか、常にYESかNOの“決断”を求められる時代だと思うから。
J.K.ローリングが脚本を担当しています。
エディ:JKローリングの描く脚本というのは、まるで小説のように、それぞれのキャラクターの特徴やその周りの情景までもが、事細かに描かれていて。それはどんな脚本とも比べ物にならないくらい、十分な情報量が揃っているんです。
原作者ならではのことですね。
エディ:ハリー・ポッターと魔法の世界というのは、全体像が彼女の頭の中で出来上がっているんです。だから彼女と話をすると、12才の頃のニュートの話をちゃんとしてくれるんですよ。百科事典が彼女の頭の中にあるんですよね。
ジュード:何かの信仰だと勘違いをして欲しくはないのですが、J.K.ローリングの頭の中には、彼女が創造した“世界”というものが実在しているのだと思います。そして彼女の最も素晴らしい点は、「私はこんなアイディアを持っている」と、おごり高ぶるのではなく、自分がその“世界”で経験した素晴らしい体験を全ての人にシェアしたい!という純粋な気持ちで、小説や脚本を書き続けていること。だから子供から大人まで、夢中でその世界観を楽しむことが出来るんじゃないかな。そして、こうして彼女の描く作品に喜ぶ人々の姿というのも、彼女にとってはきっと作品の一部なんだと思う。
エディ:彼女のもつ世界観というのは、他の人と比べ物にならないですよね。沢山の好奇心と、子供を凌ぐイマジネーション力をミックスして、その仕上げに“天才パウダー”をパラパラと振りかけて誕生したという感じ。
とても強い世界観がありますが、ハリー・ポッターを見て無くても大丈夫でしょうか?
アリソン:ハリポタの世界をしらなくても、全然楽しめるものだと思う。実際にハリポタを読んだりみたりしてた世代とファンタビの世代がずれてしまって機会を逸した人も沢山いるようですね。
ダン:時代設定も違うし、キャラクターも違うからハリー・ポッターを見て無い方も楽しめると思います。
アリソン:ハリポタとは別の世界観ですね。素敵な魔法動物がたくさんでてくるから、それもお楽しみポイント。
ダン:ファンタビの中に色んな種を撒いて、その伏線がハリー・ポッターで回収されるというような構造になっているので、ハリー・ポッターを見てる方はそんな視点でも楽しめますよ!
シリーズ2作目を迎えますが、改めて主演・ニュート役に抜擢された時はどうでした?
エディ:これは本当に現実なのか?って頬をつねってしまうくらい、エディ役に選ばれた幸せを噛みしめています。
魔法界を再現した胸が躍るような現場の中で、魔法の杖をもらって、色んな魔法をかけられるなんて本当に最高!ユニークな魔法動物たちとも、沢山遊ぶこともできますしね。現場では、9歳の頃に戻ったかのように、はしゃぐ気持ちを抑えることが出来ませんでした。
ダン:世界的に評価されているシリーズの一部でいられるなんて、本当に魔法をかけられた気分ですよ。僕らは世界の中でも一番ラッキーな人たちなんじゃないかって。キャスト陣にもすごく恵まれていて、映画での撮影現場での一瞬一瞬や、こうやって色んな方に映画のお話をすることを大事に、その瞬間を生きよう、楽しもうと思ってます。