韓国出身の作家スゥ・ドーホーによる個展「スゥ・ドーホー : Passage / s パサージュ」が、2018年6月2日(土)から10月14日(日)まで青森県・十和田市現代美術館にて開催される。
スゥ・ドーホーは、韓国生まれのアーティスト。イェール・ユニバーシティ・スクール・オブ・アートで彫刻を学び、以後ロンドン、ニューヨーク、ソウルを拠点に活動している。
作品制作においては、個人と集団の関係性を探ることを一つのテーマとして掲げている。これまでドローイング、彫刻、映像など様々な素材に取り組む中で、家、物理的な空間、移動、記憶といったワードもキーワードとして捉えていくようになった。
得意とするのは、家や家の中のアイテムを象った彫刻と、没入感のあるインスタレーション。特に、彼がこれまで住んできた空間の手触りと繊細な細部を再現する作品として生まれた半透明の布を使用した彫刻シリーズは、注目を集めている。
また、軽く持ち運びができることも布の彫刻シリーズに共通するポイント。その軽量さ、どんな場所にも設置できることから「スーツケース・ホーム」とスゥ自身によって呼ばれている。
十和田市現代美術館とスゥ・ドーホーとの関係は長く、2008年にはスゥの代表作である≪コーズ・アンド・エフェクト≫が常設展示となった。個と社会をテーマにした同作は、高さ9メートルの大展示室に飾られた巨大な作品。赤、オレンジ、そして透明のグラデーションカラーが特徴的な≪コーズ・アンド・エフェクト≫は、数万体にも及ぶ樹脂製の人型彫刻を組み合わせて制作されている。肩車するように一つひとつのピースが組み合わされていて、天井からつるされた様は華やかさと同時に、生と死が常に表裏一体であること、長い時間の中で連綿と繰り返されていく輪廻転生的な考えを体現する。
そんなスゥ・ドーホーによる個展「スゥ・ドーホー : Passage / s パサージュ」では、新作の大型彫刻作品3点を紹介。すべて代表作である半透明の布を使った作品となる。
さらに、ロンドン、ニューヨーク、ソウルと世界を股にかけて活躍する作家ならではの視点で捉えた、映像作品も日本初公開となる。
「スゥ・ドーホー : Passage / s パサージュ」
会期:2018年6月2日(土)~10月14日(日)
時間:9:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで。
会場:十和田市現代美術館
住所:青森県十和田市西二番町10-9
休館日:月曜日※ただし祝日の場合はその翌日。
※8月6日、13日は閉館。
観覧料:企画展+常設展セット券 1,200円、企画展のみ一般 800円
※団体(20名以上)で100円引き、高校生以下は無料