俳優を始めた当初と比べて成長したと感じる点はありますか?
責任感が出てきました。様々な作品への出演を重ねるごとに、作品を1つ作るのにも何年もかけて本当にいろんな人が関わっているのを知りました。それで結局、演じるのは僕たち俳優。そういう責任を感じるようになった。
演じる上でのこだわりはありますか?
時間が許す限り、突き詰めて納得いくまで何回もやりたいという気持ちが強いです。もちろん僕たち演じる側が1回でできればそれが一番いいんですけど。
現場で監督と議論しながら役作りをするのでしょうか?
はい。台本を読んで考えて何パターンか準備はしていて。監督と議論する中で頭の中を整理して体現できるようにしています。最近一緒に仕事をした監督何人かには、「監督やりたいでしょ」って言われることもあるんです。
ご自身も作品を作り上げていくことへの興味があるのですか?
はい。とてもあります。今は俳優としてですけど、監督と議論しながら作品を作り上げている瞬間がすごく好きです。お芝居し終わって「オッケー」と言われた瞬間は素直に嬉しいです。あ~、今ので良かったんだって安心します。
『さよならくちびる』では監督からどんなアドバイスをもらいましたか?
僕が演じたシマという役は2人よりちょっと年上の30歳という設定だったので、監督からは2人を支える気持ちでいてと言われて。3人の空気感を作ることを意識しました。
実年齢よりも年上の役でしたが、役作りには苦労しませんでしたか?
役にはすぐに入れました。もちろん少し年上だというのは意識しましたけど、年齢そのものよりはどういう生き方をしてきた30歳なのかを考えていたので、すんなり。
自然体ですんなりと役に入れるタイプなのですね。
そうですね。共演した小松さんにも言われました(笑)。現場で雑談していた直後でも、そのまま役に入っていくって。同時期に別の作品の撮影をすることもあるんですが、そういうのも全然平気です。前日の夜に『スマホを落としただけなのに』の連続殺人鬼やって、朝からは『愛がなんだ』のマモルをやったこともありました。
門脇さんとは現場でどんなお話をされたのですか?
門脇さんから「成田君は朝起きてなくて、午前中存在感薄い」って言われたことは衝撃的でした(笑)。門脇さんと共演するのは3回目で、何を考えているのか徐々に分かってくるようになってきたんですが、まさかそんなことを言われるとは。でも図星です。
小松さん、門脇さんの演技から学び取ったものはありますか?
2人とも現場の空気を作れるところがすごい。ものすごく明るい小松さんと、集中する門脇さんっていう。演技もハルレオの2人がずっと一緒にやってきた、みたいな空気感が生まれていて、お互いのことをすごく尊敬し合っていることが伝わってきました。小松さんと門脇さんが初日にお互い「共演したかった」って言っているのもいいな、と思って見ていました。
若手俳優はライバルとして意識していますか?
やっぱり意識します。共演したこともある池松壮亮さんは、今何の作品やってるんだろうってすごく気になりますね。
今後俳優としてチャレンジしたい仕事はありますか?
正義の味方みたいな役をやりたいです(笑)。みんなの前で「俺たちは子供たちの味方だ!」って熱く言いたい。モノマネされるようなアイコン的な役をやってみたいです。
最後にファッションに対するこだわりを教えてください。
こだわりか…実は無いんですよ。いろいろ手を出して、その時の気分で着こなしています。
今日のお召し物も素敵ですね。
これはロエベ(LOEWE)のものです。私服でロエベも着ますが、ブランドで言うとメゾン マルジェラ(Maison Margiela)が一番多いかな。今日の私服もメゾン マルジェラの「タビ」ブーツを履いていて。「タビ」ブーツはかっこよく履いてもしょうがないなと思うんでニッカポッカみたいなパンツを合わせたり。足袋にニッカポッカは土木作業員じゃんって(笑)。でもそういうことでしょって思ってます。ファッションって。いろんなテイストにチャレンジして、好きにやっています。